神様であっても慈悲はなし
今回も神様?は自分の領域内で力を発揮して、僕を容赦なく拘束してきた。
真っ黒な世界の中、僕らだけを薄っすらとピンク色の光で照らす。
神様の力をこんな無駄に行使するのは流石だと思います。
毎度毎度僕を襲うという理念は変わらずもパターンや演出をことごとく変えてくる。対応が難しい。
この世界でもう幾度も訪れた絶体絶命。
でも、僕には本物の女神様が見守ってくれたみたい。
首からかけていたペンダントが僕の救援信号に応えるように神々しく輝く。
そして現れて下さったのは、僕らの大好きな頼れる女神様の妖精王さん。
僕にニカッと気持ちの良い笑顔を向けて腹の上に跨がる危ない人の首をわし掴む。
「こ、コータさん真の女神は私ですよー。あと、王ちゃん首掴んだままぶら下げないで…く、ぐるしい。」
神様?がぶらんぶらんしながら訴えてくる。
「全くお前は相変わらず懲りん愚か者じゃのう。神様と思われたいならそれ相応の態度を示さんか。あと、王ちゃん言うでない!」
「くっどうして…私の創り出した空間ですよー。なんで王ちゃんはそんなに力ぐぅ頭はやばいですからー!!」
「だから、王ちゃん言うでない!」
凄い、華麗に首から頭へとシフトチェンジして力の限り握って圧してる。
少なくとも神様?の頭から聴こえていい音じゃない。
「ぐぅ、まだまだです。王ちゃんを拘束しますよー。」
未だ反省の色無し。
頭へ過度なスキンシップを耐えつつ、暗闇の中からいくつもの触手を蠢かせ妖精王さんに絡みつかせようとする。
とても神様っぽい、邪神寄りの。
「お主のそれ説教2170回目の時にも見たから予測済みじゃ、この戯け。」
流石妖精王さん。
本物は邪な神様の考えなんてお見通しだ。
次から次へと飛び出てくる触手を見えない刃で切り落としていく。
そろそろ神様?の頭も限界だ。
「うぅ、コータさんが凄い失礼な事を思っていますー。私は本物です、はてなの付かない神様ですぅ。」
「日頃の行ないが悪いからこうなるのじゃ。ちと反省せい。」
「いだだだ、王ちゃんもう反省したので離して下さいよー。そろそろ可愛い神様の原型が無くなってしまいますから。」
もう神様っぽさは無いと思う。
妖精王さんもこいつ駄目だと思ったのか、前に見かけた扉を顕現させた。
扉の先は見たことないけど神様?の青白くなる表情からお馴染みの説教部屋かな。
お部屋への連行に猛抵抗する神様?を妖精王さんがよいしょと首を絞めて夢の世界へ強制的に連れて行き引きずって行く。
結局、今回は本当に無意味な呼び出しで終わった。
今度からはもし訪れる時は妖精王さんと来ようと思います。
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