とある王城の専用謁見場



私はただいま人間状態のグリースト。

壮厳にして堅牢の主の岩竜です。


現在、ミストリア王国の地下にある私専用の謁見場 拷問室に居ます。

私の偉大なるご主人様で女王なイザベラ様に緊急の呼び出しがあったからだ。

謁見場に到着した私を早々にノーモーションからの顔面に拳を頂きました。ありがとうございます。


壁に埋もれながら感謝を口にする。


「ふん、私の第六感がお前を呼べと感じたから呼び出してみれば、どうしてお前からヴァルたんの匂いがする?」


「はぁ…約束したので私からなにも言えません。」


「ほぅ…。」


敗者は勝者の言うことを聞く。

これは自然の摂理。ですので何も言えません。

さあ、どうしますか?どうして頂けますか?


その射殺すような冷めた目が答えを知っていますね。



「お前みたいな醜く卑しい豚風情が女王たる私に逆らう気か?」


「はぁ、はい約束はぁ…ですん、から。」


壁にめり込んだ私を無理矢理剥がし、尖った石が敷き詰められたご褒美椅子に正座させられる。

そして、私の膝に女王様のお脚を置いてくださる。

ありがとうございます。



「ヴァルたんと接触したな、どこにいる?」


「約束はぁ、ですからぅん…言えません。」


膝に来る刺激が私に喜びを与えてくれる。


「もう一度、聞くぞ汚豚よ?ヴァルたんはどこにいる?」


「い、言えませんぁう…。」


「ふん、せっかくお前がヴァルたんと接触したからご褒美を与えていたが仕方ない。これ以上吐く気がないならもうお終いだ。」


「え…」


「もうお前にはご褒美を与えない。」


「も、申し訳ございませんでした!」


手に伝わる尖った石の感触が気持ちいい。

私は自供するご褒美に女王様から頭をぐりぐりと踏まれながら洗いざらい話していく。

女王様の喜びが頭より伝わってくる。

ありがとうございます。



全てを伝え嬉しそうにニマニマする女王様は拷問室を去っていく。


私ですか?


私は最後のご褒美に紐で宙吊りにして頂きました。

今回は何年吊り上げたままにしてもらえるか非常に楽しみです。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る