はやての如し!
街までの道のりでオークが人を襲っている。
遠くからの確認では、オークが10体に色違い一体。
そそして、人が5人に馬車の中に3人いいる。
オークと戦っているひ‥人達は、馬車の護衛っぽい。
神様に精一杯生きると言った手前、見過ごすことは出来ない。
でも、このまま普通に参戦したら間違いなく人との会話が発生する。
街までは安心だと思ってたのに。
どうしよう、あの人達が手遅れになる前に決めないと……。
よ、よし決めた!
自分が制御出来るぎりぎりまで身体強化をして、高速で接近。そして、ささっとオークたちを切り倒して有無を言わず逃げ去る。
シンプル イズ ベスト。
やるっきゃない!
身体強化をかけ、両脚に力を込める。
そして、一気に駆ける。
遅い、もっと早く‥風を超えろっ!!
声をかけられたら気絶すると思え!
僕の生存本能がスピードを加速させる。
気づけばもう目の前、まずは近くの4体だ。うぅ、人も2人いるぅ。
幸いどちらも気づいてない。
護衛の人達をすり抜けるようにオークの下へ行き、サバイバルナイフで正確に首に当てていく。
次は、馬車の周りにいる6体。
先程と同様に切っていく。
順調順調‥あ、目が合った。
馬車の小窓付近にいたオークを切った際、小窓から外の様子を見ていたのであろう琥珀色の目が。
女の子が覗いていたんだ。
ど、動揺しちゃダメ。
風より速く動いているんだ、見えている訳がない。
じ実際他の人たちは、まだオークと対峙している。
僕に気づいた様子はなさそう。
それでも、急いで残りの色違いオークに向かう。
仲間の首と胴体はすでに離れているのに気づかず、ニヤニヤした様子。
他のオークと同様にさっさと済ます。
そして、目に見えて離れ始めるよりも早く、この場から戦線離脱。
ここまでに掛かった時間はジャスト1秒。
対人恐怖症は不可能を可能にする。
でも、不安は残る。あ、あの子、気づいてないよね?
目が合ったように見えただけだよね?
大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫‥
お経のように言い聞かせ、あの現場との距離を離していく。
やっと落ち着きを取り戻す頃には街が見えてきた。
ずっと身体強化をかけたまま走ってたため、気付かぬ内に1日分の距離を縮めたみたい。
初めての異世界の住人との接触?を終えたばかりなのに、また次の試練。
心の準備はまだ出来てない。
顔も真っ青から真っ白に。
もうおしまいかもしれない。
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