初めての出会い 目と目が合えばもう



これからの探索活動は、魔法を徹底的に練習してからに決定。


キャンプセットの結界の範囲内で特訓を始めた。

まずは、全体に流れる魔力を感じること。

最初の数時間は苦戦したものの、百科事典の『要は血液みたいなもんだよ』との説明でなんとか感じることが出来ました。


次に、無詠唱での魔法行使と身体強化魔法の練習。


さあ、イメージを駆使して徹底的に練習だ!






あれから月日がほどほど流れ、1週間ほど経過。


なんとか身体強化魔法の無詠唱による行使と、いくつかなら無詠唱で出来るまでにはなった。

でも、高威力の魔法は短い詠唱が無ければまだ難しい状態。



さて、いよいよ探索だ。


しかし、この1週間の間こんなに魔法をバカスカ練習してたのに、魔物が一切現れなかった。


何か大森林に問題が起きているのだろうか?


こんな時に、困った時の百科辞典さん。


魔物が現れない原因と検索。



ユーリル大森林の魔物不在問題


・いいえ、普通にいますよー。コータさんの周りのみ近づかなかっただけですよ。

まあ、あれだけ高威力の魔法を空に向けてとはいえ怯えちゃいますよー。

実際、小動物も見かけないでしょう?


その場から、離れればまた嫌でも会えますよー。



確かに、小動物もいない。

そうか僕が原因だったかぁ。可哀想なことをした。


というか、神様って僕のこと監視してるのかな‥



とにかく原因も分かったことなので、いよいよ出発。

収納庫にキャンプセットをしまい、サバイバルナイフを握りしめる。


危険は、いつでも挨拶なしにお邪魔して来るので油断は出来ない。


周囲を警戒しつつ、食べ物発見と森からの抜け道を探そう!




僕の身長よりも何倍も大きい木たちを避けながら、食べ物を探す。

確かこの森で食べられるのは、果実か樹液だったはず。

木に実がなってないかなぁ‥



そんなことを思っていると、近くの茂みがガサガサと激しく揺れる。

顔を出したのは、うさぎ………の頭を鷲掴みしているゴブリンさん。


はじめての魔物。


見つめ合う2人。


トクンッと心音が跳ねる。


このドキドキって‥まさか…



はい、恐怖と緊張です。いきなり人っぽい姿の魔物と出会うとは運が悪い。


「ギギ! ウガガ、ウガ!」


なんか吼えてる?

少し落ち着いてくる。

会話が通じないなら人じゃない。


大丈夫大丈夫。冷静になれる。



プルプル震えてこちらを見つめるウサギさんのために頑張ろう。







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