ただただ・・・

まきもの

第1話

とある田舎の姉と妹ほど離れた二人組


夕暮れ時。ちょっと気持ちを寂しくさせる


あーちゃんは呟きます


「大人になりたい 隣が青く見えないくらいに」


いーちゃんは首を傾げます

「なんで青く見えるると子供なの?」


あーちゃんはただただ

隣の芝生は青い と口癖になってしまうのでは

ないだろうかと思うくらいに


いーちゃんはわからないまま落ちかせようとします


あーちゃんは暴走はしていないただ哀愁に浸ってるだけ


ただただ夕暮れ時は哀愁漂うあーちゃんである


それから数ヶ月後


いーちゃんの前からあーちゃんはいなくてしまうのです


何も告げないで


誰にも言わず失踪してしまった


最初は、寂しくて、悲しくて泣きました。


次第に寂しさが憎しみに変わり、悲しみが攻撃的に変わり


いつしかあーちゃんに対する感情が殺意に変わってゆく


妄想が膨らむ。マイナス思考になる


気がついたら殺したい気持ちしかなかった


あーちゃんは何も知らない


いーちゃんも何も知らない


お互い何も知らない


あーちゃんは、隣の芝生は青いって

誰にでも起こりうることがわかって

もらえないと思い込み失踪して事故に遭われた


いーちゃんは、あーちゃんが口癖のように言うから

鬱陶しくなり、わずらわしくて

落ちかせれば乗り切るって思っていたらしい


絡み合い解けないほどこじれがあった


あの時、あーちゃんは隣の芝生は

青いをきちんと説明するべきだった


あの時いーちゃんは、あーちゃんを

鬱陶しく思っていないで質問の

仕方を変えてみればよかった


でもそれすら一例に過ぎない


誰にもわからない


あーちゃんの気持ちは、あーちゃんが自身をわかってる

いーちゃんはあーちゃんの目に見えてる部分はわかる


逆も同じこと



いーちゃんの殺意をとめなきゃって立ち上がったのが

お兄ちゃんくらいにーちゃんだ


にーちゃんは、いーちゃんが可愛くて可愛くて仕方なかった

いーちゃんも、にーちゃんを慕ってた

好きだった告白もした振られた


にーちゃんとあーちゃんは

同じ学年だから仕方ないと思いながらもにーちゃんは

あーちゃんを好きだからと指をくわえて見ていた


実は勘違いだった

にーちゃんはいーちゃんが好き

いーちゃんはにーちゃんが好き

あーちゃんはいーちゃんがすき


そこから全て始まりで

勘違いのまま

あーちゃんの死を知らないいーちゃん

知らないいーちゃんをにーちゃんは

今は支えれなくて



ただただ悪循環


にーちゃんは決意した。

知ってることをいーちゃんに

それでキミまで居なくなってしまったら

怖くて怖くて今まで言えなくて苦しかった


にーちゃんはいーちゃん言いました。


「今まで、黙っててごめん

僕は、キミが好きだ あの時より前から

あーちゃんではなくいーちゃんが好きだ

あーちゃんはもういない

居なくなってすぐ事故にあって」


にーちゃんの気持ちとあーちゃんが亡くなったことを告げた


いーちゃんは狂ったように笑いました


いーちゃんはもう何も失いたくなくて


にーちゃんと姿を消しました。


その時から、二人を誰も見ていません


数年後ニュースが流れていました


滝壺から男女二人が・・・


その男女が、いーちゃんと

にーちゃんなのかは定かではない


紙が一枚置いてあったという


「隣の芝生はただただ青い」


そう書かれた紙が・・・。

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ただただ・・・ まきもの @fkm

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