第10話 ふらふらら

また一つまた一つポケットに秋をつめ込む子ら帰り行く


大空に抱きしめられて飛行機雲名残惜しい一つの別れ


奴凧時代の狭間でふらふらら「もう疲れたよ」電線にかかる


最新の技術駆使して何もかも粒子となりてこの国は平和


不器用な生き方であったハーモニカ望みどおりの花葬に処す


風の唄木の葉のダンス輪を広げ水面も我を避けているよう


昨日までの寂(サビ)たアタシを映してる水たまりなんか蹴っ飛ばす今日


無気力な時計台にたいくつな酸性雨降れば皆消えるかも


寝返りもかなわぬ白きベッドから見る窓の外傾いた空


胸にちくりまたちくりと針の刺すその一点が極めて孤独

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る