ナイフ

たった一振りの憎しみだけで

誰かを傷つけたりしないで

あれは君のせい これは僕のせい

正しさを掲げて 刺すだけ


コンクリートを歩く度に

心は擦り剥いていかれるばかり

歩幅は大きさが安定しなくなり

白銀の心は やがて脆くなる


期待し過ぎていた噂話や

友人の振りをしていた愚者に

騙され続ける日々 もう

何も出来ない自分が 怖すぎて


一瞬のうちに積み上げられた

火山灰のような砂の欠片

人の影に視た こんな世界なんて

瞳に映るは 色が反転した虹だけ


流されるまま 乞い続けるなら

足りない 痛い 苦しい

満たされたい 充たされたい

触れたい 朱を真顔で見つめながら__


月は鮮やかに 映し出す

すでに 錆び付いた白銀の刃と

腐り 我が儘な苦しみを受け

生を喰われた レッドカーペット

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