魔法科学校中等部の臨時教師として働いてるが気力が持たない件

猫ハム

プロローグ


リーン ゴーン リーン ゴーン



豪勢な音色を出す朝のチャイム、もとい巨大なベル。

開校から100年の歴史を持つ巨大なそれも年季が入ってる為か、本来の黄金色が失われてすっかりと錆びきっていた。

しかし弾出されるご機嫌な音は未だ健在だという。






・・・・・・こんなご機嫌な朝だと言うのに、目の前のこいつらと来たら。



「きゃっほおおおおおおおおいいいいいいいいいいいいい!! 明後日から夏休みだぁあああああああああぶるるるる!!!!!」


「ぎゃははははははは!! 牛角族の

ソラリスが暴走を始めたぞおおお!みんな逃げろおおお!!」


「うっさいわねカルマ! 毎日毎日毎日毎日

ガキみたいにはしゃいで、あんたらバカトリオはホンッ・・・とにガキね!」


「おい! 俺をあいつらと一緒にするなよ!?」


「うっさい! この前私の筆箱にカエル入れる時、授業サボって川に行ったの知ってるんだからね!?」


「ちが、いや、そうだけど・・俺は止めたんだよ! あいつらが無理やり連れていくから」


「まーまー、落ち着いてコウ、こうなったマキナは何言っても無駄よ?」


「いってええええええええええ!!!!

いぃぃいいいいい!!! ルロイ! いきなりモモカツいれんなぁああああああああああああ、やばい、痛すぎて泣きそう」


「カルマ! 今まで先生に免じて黙っていたがやはり日頃の貴様の態度は見るに耐えん!

神を冒涜するかの如くの言動の数々、許されることではないぞ! 覚悟しろ!!」


「聖職者が手をあげるなよ・・ほんとに、いたい、やばい この前不意打ちでやったこと謝るからさ・・・」


「黙れ! これは天誅だ! もう命乞いしても遅いぞ! ・・・・あの時の貴様らの無慈悲な太股への一撃のおかげで帰ることもままならず、 聖典を立って読むことすらままならなかったのだぞ!?」


「っハハハハハハハハ!!」


「笑うなぁ!! ソラリス! 貴様も天誅の刑にしてやる!・・・・っぐわあああああああああああああああああ!!!!!」


「ぎゃはははははっ、あつ、いででで・・・な、、ナイスだレイヤ」


「ケツがガラ空きだぜ・・・・」


「うっ、、ぐっ・・・がはっ・・こ、このペテン師どもめが」


「バカ一人加入~」


「アホ一人加入~」


「ほんっとうにうるさいわね・・・そろそろ本気でキレたほうが良いかもね」


「いや、すでにキレてますけど・・」



・・・・と、単に元気が良すぎるだけの明るいクラスメイトだと思う・・思うようにしている。


「新しく建った俺んちさぁ、屋上あんだけど

・・・焼いてかない?」


「何を言ってるのかこれもう分かんねぇな」


「せんせー、水泳部のコージーと空手部のクボタがホモホモしてまーす」



・・・・一言言わせてもらうと、こいつらは精神年齢が余りにも低すぎる。

加えてこの、どこかの鉄筋家族バリの破天荒さといい、余りにも自覚がなさ過ぎる。


何たってこの学級は本館から切り離された山沿いに建てられた小さな木造建築。

察しがつくと思うが、つまる所落ちこぼれ組という訳だ。


しかも、ここに配属される教師は1年間の授業を丸ごと請け負うだけに徹さねばならないという鬼畜仕様で、気苦労も多い(そのかわり、授業方針にとやかく口出しがされないのが逆に好都合ではあるが・・・)。


よもやここまでとは思わなかったが、入学してそうそう学力・実技共に優秀者の順にクラスを選出される厳しい制度では致し方ないのかもしれない。


クラス分け発表があった翌日、教室に集まった皆々はまるで葬式のようだったが今では和気あいあいとしているようで何よりだ。


・・もしそれが俺のいた世界での話ならばこのまま順調に成績を上げていって新たな人生を歩ませられたのかもしれない。


しかし、ここは異世界であって文化や理も当然違う。


この、文国エルサルム都立聖アルカディア魔法科学園は最大にして最高の学校と言われている。


別称『志向の魔法学校』とも呼ばれ、制度共に実力至上主義の厳しい環境に生徒たちは置かれる事になる。

その一つが『退学組』と蔑称されるこの1年0組という訳だ(退学制度は無い)。



俺が教えるのは『国学』 『数学』 『理学』

の基本教科三つのみ。

それ以外の専門分野 『錬成化学』

『魔法生科学』 『実践体術』 『社会情勢学』 は他のクラスと合同でするが、確立があるらしく馴染むのには時間が掛かりそうだ。


学年が上がるまでに成績が優秀であれば、1から7組のクラス変えに混じる事が出来る程の余地はある。


つまりこの『退学組』は、覚束ない実力を完全な物とした優等生に仕上げる仕組みになっているということだ。


そして、生徒らは一刻も早く実力を底上げせねば成らないのだが・・・・


「レイヤー! ルロイに関節技かけるぞ-!

急げえええ!」


「うるさいって言ってんでしょうが!!」


直後、最前列の中央に座っていた黒髪のポニーテールの女の子が、ツンツン髪の乱した制服の男の子に飛び膝蹴りを咬ました。





・・・・・アムール理事長 気力がもう持ちませぇん

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魔法科学校中等部の臨時教師として働いてるが気力が持たない件 猫ハム @nikutdi1150

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