もしラノベ好き高校生が男女の貞操が逆転した世界に転移したら

ライトノベル好きの高校生、草鹿創平はある日、男女の貞操が逆転した世界に転移してしまう。
電車に乗れば痴女に身体をまさぐられ、体育の時間になると女子は目の前で平然と着替え始め、女子と話慣れてない男子高校生が「清楚系ヤリチン」呼ばわりされる、シュールすぎる世界だ。
考えようによってはラッキーかもしれないが、この世界にはある一つの問題があった。
ライトノベルがないのだ! 

男女の貞操が逆転した世界では、我々の世界のライトノベルは存在せず、あるのは「平凡な女子高生が大勢のイケメンに惚れられる話」ばかり。
かくして創平は元の世界に戻る手段を探し始める。読み逃した『ゼロの使い魔』の最終巻を読むために……。

というわけで、平凡な男子高校生が気が付けばサークルの王子的な存在になってしまう本作品。オタク視点のあるあるネタが多いのだが、舞台が貞操逆転した世界ということもあって「あるある」の内容に一捻り加えてあ一癖も二癖もある内容になっている。

クセがあると言えば登場する女子も、下ネタ全開だったり中二病だったり自称モテモテギャルだったりと、やたらアクの強い子ばかりが集まっており、せっかく向こうから積極的にアプローチしてくれているのに、羨ましいのか羨ましくないんだか判断が難しいところだ。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)