うっかり魔女とお供の旅は続くよ、多分。

ちりぬ

第1話

周辺が炎で燻っている。


煤けた炭が、家の型をしている。


地面には、塵のように死体が転がっている。


そんな中、炎の中に、一人の少女がいた。


「何で・・・。」


暗い空の下、幼い少女の声が響く。


周辺の炎の勢いは強く、少女の顔はよく見えない。


ただ、遠目から見てわかるのは、少女の服が炎で燃えたのかボロボロであること。

腕の中で黒い死体を大事そうに抱えている事だった。


「何で・・・。」


少女の瞳から流れる涙と連動するように、雨が降ってきた。


「何で、こんなことに!」


少女の叫びは、雨音に消えた。

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