笛吹き

この世は 笛吹きがつくった「夢」

黒い絹のベールで覆われた一人の笛吹き

彼は姿を隠しながら一人の乙女にビジョンを見せる

彼は笛の音色で楽園をつくる


音色を聴いているのは乙女だけではない

かつて乙女を愛した騎士もこの地にいる

乙女に虎に変えられた騎士

音色は虎を勇敢な戦士に引き戻す


乙女は騎士の誘いにうなずき

手を取り合いお互いを求める

騎士は歓びに打ち震える

騎士は乙女の愛で若返る


ところがここで笛の音色は途切れて

乙女は消えてしまい騎士は虎に逆戻り

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