黒い雨

輝銃

とある日の話

 世界は丸いものに照らされていた。

 人は何かを見て、何かを聞いていた。

 様々な色が存在し、見ることができた。

 様々な人の声を聞くことができた。

 様々な物の音が聞こえていた。

 世界は光にあふれていた。


 しかし、しばらくすると、ある場所が赤く染まった。

 気が付くと、そこは暗くなっていた。


 その時、黒い雨が降った。

 黒い雨は全てを闇に閉ざした。

 人の瞳も耳も閉ざされた。

 色は闇に染まった。声も聞こえなかった。

 残ったのは少しの物音だけだった。

 どこからも光が失われた。

 もう時間が分からなくなった。


 しかし、その時、一筋の光が差した。

 その光に呼ばれるように、上からも光が差した。

 人の瞳も耳も開かれた。



「早く起きなさい!二度寝する時間なんてないわよ。」

 …とある日の話。

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黒い雨 輝銃 @kiju

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