ファンタジー・ワールド・オンライン

@00-4reina

第1話 初めてのVRMMO

高校生】斬咲 霧斗


「うーん、ゲームなんてあまりやった事無いんだけどな・・・」


幼なじみの神谷 美妃に、無理やり買わされたVRMMO専用ソフト【FANTASY・WORLD・ONLINE】、通称『FWO』のパッケージを見ながら、俺こと斬咲 霧斗は呟いた。

最近、ゲーム界でもっとも人気のあるVRMMOというジャンルの最新ゲームソフトだ。


「昔から、押しが強かったのが最近より磨きがかかった気がする。まあ、俺も断れないんだけどさ」


俺の手には、美妃に渡されたメモがある。そこには、ゲームを始める前にやるべき事が書いてあった。


「ええと、まずは初期設定か。じゃあ、コネクト開始」


ちなみに、このゲームをするためにはこれを動かすハード【アミュスギア】が必要で、俺は美妃に無理やり買わされたからしっかり持っている。

これを起動させる言葉が『コネクト開始』だそうだ。やけに力説してきたけど・・・。

そして、俺の意識が電脳世界に飲み込まれて行く。



メモでバッチリ予習したおかげで楽々設定を終わらせた。

キャラメイキングは顔は変えず、髪を長くしただけ。

次は、アバターの名前を決める。


「今まで通りの、『キリア・スレイ』で良いかな」


今までの色々なゲームでも、この名前で使っていたため、結構愛着があるのだ。


「次は主武器と副武器か・・・」


これは初期限定品のソフトのため、主武器、副武器をそれぞれ二つ選べるのだ。


「ええと・・・」


――――――――――――――――――――――――――

【短剣】【片手剣】【両手剣】【大剣】

【短槍】【長槍】【短刀】【長刀】【短弓】【長弓】【短杖】【長杖】【小盾】【大盾】【鞭】【鎌】

――――――――――――――――――――――――――


「うーん、良い武器が無い。どうしようかな?痛いのは嫌いだし、強い奴と戦いたい訳じゃないからな。防御と速度を上げるとして、それにぴったりな組み合わせは・・・」


結果、主武器を鞭、副武器を鎌にした。普通は逆なのだがそんな事は気にしない。気にしてはいけない。


「さて、お次はステータスだ」


ステータスポイントと呼ばれる特典を使って自分のステータスを選ぶ事が出来る。


「VITとAGIをガン上げして・・・。これでよし」


さらに、このゲームソフトの初期限定品は最初からスキルを5つ所持する事が可能だ。

「初期限定品、買っておいて良かった」





結局、30分悩んで決めた。

その結果がこれだ。


――――――――――――――――――――――――――

名前・・・キリア・スレイ Lv1

ステータス

HP【40/40】

MP【40/40】

STR【20】

VIT【100+50】

AGI【100+50】

MND【20】

スキル

【ガード】【鞭術】

【俊足】【堅牢】

【経験値増加】

装備

頭【無し】

体【無し】

右手【初心者の鞭】

左手【初心者の鎌】

足【無し】

靴【無し】

装飾品【無し】【無し】【無し】【無し】 【無し】

アイテムボックス

【初心者の大盾】【初心者の長弓】

――――――――――――――――――――――――――


「自分でやっておいてなんなんだが・・・、ステータス構成が悪い気がする」


『【鞭術】・・・鞭系武器の技を統合したスキル。使える技はシステム内成長度に比例する』


『【ガード】・・・相手の攻撃を自動で防ぐ事が可能』


『【俊足】・・・AGIを+50』


『【堅牢】・・・VITを+50』


『【経験値増加】・・・得られる経験値を大幅に増やす』


後は今後のプレイ次第で変わるかな?

このゲームの最大の魅力。

それはプレイヤーそれぞれに一つだけ持つ事ができる【ユニークスキル】の存在だ。

それはその人だけのスキルであるため千差万別。

それは、その人のプレイスタイルや性格によるらしい。

俺はどうなるのかな?

次は所属国家を選ぼう。

所属国家というのはそのままの意味で自分が所属する国の事。それぞれの国に特色があるらしい。

えーと、選択肢は。

【騎士と果物の国 ルヴァン王国】

【科学と兵器の国 メカロイス皇国】

【商業と砂漠の国 ラフィスト連邦】

【海と漁業の国 シールイア王国】

【妖精と神樹の国 レジェンラ】

【自然と龍の国 センドラ帝国】

【戦いと和の国 緋国】

うーん、ルヴァン王国にでもしとくか。

まあ、理由は美妃がそこで待っているからだけどね。

後、姉さんもそこに所属しているからだ。

姉さん無視すると怖いからなー、マジで。

ちなみにゲームの中は時間が3倍加速しているようで、1日が3日になるようだ。

時間がぐちゃぐちゃにならないようにしたいな。


「さあ、準備は出来た。じゃあ、ゲームスタート!!」


そして、俺はFWOの世界に足を踏み入れる。

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