史上最悪のプレー

 僕たちはストリートサッカーの大会、天下一武道会の大阪の予選に出場するために新幹線で名古屋から大阪へ移動した。

 「・・・・。試合には出るといったけど、いきなり天下一武道会の予選とか聞いてないよおお・・」

 僕は練習試合に出る気だったのにまさかの展開に驚いた。

 「まあ、なんとかなるでしょ。」

 ストリートサッカー経験者の神谷さんが言った。

 神谷さんがいうのならなんとかなるのかなと僕は一瞬思ったけど、

実際のところそんなにあまい世界ではないだろう。

 「私も出ることにしたんですが良かったんでしょうか?」

 お父さんは言った。

 お父さんもいつのまにかストリートサッカーの大会にでることになったようだ。

 「良いですよ。和田さんのプレーには期待しています。」

 「期待にこたえられるように頑張ります。」


 ストリートサッカーは1チーム3人で戦う。

 メンバーは僕(小学6年生)、神谷さん(20代男性)、僕のお父さんの3人だ。

 チーム名は僕のお父さんの名前の学の頭文字をとってM、僕の名前あきらの頭文字からとってA、神谷さんの名字の頭文字をとってK。

 MAK(マック)に決定した。すごくださいチーム名だけど、神谷さんが決めたことだから口がさけてもいえない。

 

 そしていよいよ試合開始の時間になった。

 相手チームは大人3人だった。

 その中に1人みたことある人がいた。

 ユーチューバーの斎藤さんだ。リフティングの動画をよくあげている人気の人だ。

 「わぁ。斎藤さんだあ・・」

 僕は斎藤さんをみて感動した。

 「感動している場合じゃないぞ。試合に集中しないと駄目だぞ」

 お父さんは言った。

 「うん。わかった。」

 僕はそういったけど、うわのそらだった。


 試合はキックオフした。

 神谷さんが僕にパスをした。 

 ころころころ・・・。

 僕は斎藤さんの方をみていて、一瞬ボールへの反応が遅れた。

 僕はトラップしようとして足を前にだしたけど、ボールは僕の股の間を抜けて、

ゴールにゆっくりと吸い込まれた・・。

 

(続く)

次回は日曜日更新予定。



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