第1話 ここって……空?

私は翼。

頬を撫でる風をよく感じております。

ただいまベランダで空を見上げているのです。

空には惹かれる何かを感じます。それが何なのかは分かりませんが……。

「翼?ベランダにいるのか?」

お父さんの声がしますね……。私はお父さんと2人で暮らしています。お母さんの行方は分かりません。幼い頃はよく一緒に遊んでいたのですがね。


あぁ……やっぱり空は綺麗ですね……


深いです。

水色と白色のコラボが美しいです。

吸い込まれてしまいそうです。



……。






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螟ゥ縺ョ蜉

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……。



「……あれ?ここは?」

ええ、焦りました。空を見るのに夢中になって、気付いたら知らない所にいたのですからね。

「あの……えっと……だ、誰か!」

私は弱いので助けを呼ぶことしか出来ないのです。

すると。


「どうしたのですか?」


何か羊みたいなモコモコした服を着た長身の女の子がいたんですよ。

「誰……ですか……?」

訊いてみました。

「私は積雲です!『わた』って呼んで下さい!」

めちゃくちゃびっくりしましたよ。そういえば積雲は『わた雲』と呼びますし、積雲は主に上に向かって成長するので長身なのも納得です。


そういえば地面がモコモコなような……


「……え?」

言葉を失いました。雲の上じゃないですか……。

「えっと、あなた雲族じゃないでしょ?」

「雲族……」

雲の擬人化みたいな種族のことでしょうか?

「雲族じゃない種族がこの世界に……。もしかしたら、かみなり姉ちゃんが何か知ってる可能性もありますね。」

「かみなり姉ちゃん……?」

「すっごい高い『積乱塔』に住んでいる、すっごい長身な私の姉です!」

わたより長身がいるとは……。


「この『天空の世界』には雲族と例外の方々以外住んでいないんですよ。こうして他の種族の方が来るのは珍しいんです。これは何かしらの何かが……。

とにかく、かみなり姉ちゃんは色んなことを知っているので、『積乱塔』に行ってかみなり姉ちゃんに訊けばきっと何か分かります!」


「積乱……なんとなく分かりました」

「よし、出発ですの前に。そこにいる……あなたと同じ種族ですよね?気絶しているようなので全員起こしましょう。」

「えっ、人間が私以外にも……。」

起こして、あげなきゃ……。

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