僕の命をあげる
小端咲葉
序章
もし、あの時立ち止まっていたら。
もし、あの時振り向かなかったら。
もし、あの時走っていたら。
もし、あの時君に想いを伝えていたら。
僕の人生は後悔で埋め尽くされている。
〝もし、あの時…〟
絶対に変えられないと思っていた過去を変えられたとしたら、君は僕の元から、いなくなったりしなかったのだろうか。
今更、君に謝ったって僕はきっと許して貰えない。君の話を聞いてあげればよかった。きっと苦しかったはずだった、悲しかったはずだった。気づいてあげられることができたならどんなに良かっただろう。
君はどうしたら、死ななかったのだろう。
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