惚鳩

田中目八

『惚鳩』

幻想の母の物語や俳句

りんご持て旅にいづるを無職といふ

一粒の去り行くときまた群時雨

おそろしく流木まとも春の海

新しきことに反発春の泥

少女には鳩の向いてる春日かな

春風のわたくしのマンドラゴラちやん

万緑の万越えゆけり誕生す

前衛の果の昼寝やめんどくさ

破裂して破裂してゆけ身体ゼリー

紙まるめて夕端居ぜんゑいぜんゑい

鬼灯の破れ李賀の詩を吟ず

三うづらとて侮る無かれ全力で

我が星へ還つたばかり初日の出

着ぐるみの輪になりをどる俳諧す

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惚鳩 田中目八 @tamagozushi

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