第72話 着信音
聞き慣れていたはずの着信音が流れた。
もう逢わないと別れた女性からのメール。
アパートを出た、メール悩んだけど…一緒に過ごした日々が懐かしく楽しかった…
そんな程度の他愛の無い内容だった。
僕達は恋人では無かった。
それでも、僕は彼女を愛していたし…今も愛している。
せめて普通に働けてさえいれば、少しは違う今を歩いていたのだろうか?
それとも…
過去の積み重ねが今…だとしたら、今は後悔しか残らない僕に、未来に希望など在りはしない。
懐かしい着信音に心が動いた。
懐かしい過去ですら、今の後悔を産むのなら…僕の過去は全て無くていい。
それでも、彼女の言葉は懐かしく、僕の今になり、そしていつか、また無くていい過去に変わるのだろうか?
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