第31話 羽虫

 なんのために存在しているのだろう?

 ロクに飛べずに群れるだけ…

 光に飛び込むように集まり力尽きて死んでいく…


 コレをエサに生きている生き物もいるのだろう…

 あるいはエサになるために産まれて、食べられやすいように明るい場所へ集まり、死骸の山となって食べやすく死んでいく…


 そんな生き物なのだろうか?


 そんな羽虫を羨ましいと思う。


 誰かに必要とされ産まれ死ねる。

 僕は?

 誰からも必要とされない…群れることを嫌い…独りで死ぬことすら選べずにいる。


 そんな僕は…羽虫にすら成れず…羽虫にすら憧れる。

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