第14話 カサブタ

 擦り切れて腫れて破れた皮膚の下で新しい皮膚が…

 傷口は体液と血が混ざり、醜いカサブタが蓋をする

「見ないで…見ないで…」

 新しい皮膚は固いカサブタに覆われて静かに周りに馴染もうとする

「触らないで…触らないで…」

 傷つきやすい皮膚はカサブタに守られている


 周りと馴染むと

「退いて…退いて…」

 盛り上がった皮膚はカサブタを破って外にでる

 もう大丈夫?


 醜いカサブタは剥がされ千切られボロボロと地に落ちた…

 守ってきたのに?

 大事に…とても大事に…


 僕、もういらないの…


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