第6話 あのとき…

 子供の頃に戻れれば…

 僕は、もどりたい過去なんてない


 今の知識、経験を持ったまま戻れるとしてもだ


 僕には戻りたい過去が無い


 分岐点は、いくつもあった…都度、正しい分岐を選び取れれば、あるいは未来は変わるのかもしれない


 だけど…あの惨めな子供時代に戻ることに抵抗がある


 僕には戻りたい過去が無い


 今より幸せな現実に生きられるとしても

 きっと僕は踏み外す


 今までもそうだったように


 結局、後悔しか残らない…

 どう生きても

 何度生きても


 ただ、ひとつ


 産まれ変わるなんて…まっぴらだ


 自分で死を選べるくらいに強くなれたなら

 そのときは、ちゃんと死ねるように…生きたい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る