ルルンの転属物語
兄尊<アニソン>
第1転 クル・ケイメンとレド・ルルン
私の名前はレド・ルルン!プーギンス魔学院中等部に通う魔人種女子です。
私はいまからとるべき行動に悩んでます
それは前を歩く幼なじみのクルにどう挨拶しようかなってこと。
A「だーれだ?」と目を塞ぎつつも二人の距離感はこんなにも近いんだよ!とアピールする
B「おっはよぅ~!」と元気に挨拶しながらもさりげなく肩に触れる
本当はもっともっと選択肢を増やしたいのだけども今の私にはこれで精一杯なのだ。
よしAでいこう!
そう決めた私は足早にクルの元へ近寄る
「だぁ~あっ!」
前を歩いてたクルが私が手を伸ばすより早く振り返り言う
「おはようレド」
「お、おはようクル どうして私が近づいたのがわかったの?」
ケイメンは少し笑いながら答えた。
「レドの魔力は特殊に感じるからね」
そして通学路にある魔界樹を指差して
「レドの魔力を感じると少し色が濃くなるんだよね」
私には全くわからないのだけどもケイメンが微笑みながら話してくれることがとても嬉しくて私は
「うんうん」と言葉にしてうなずいた。
彼は魔学院高等部に通う魔人族名家クル出身 クル・ケイメン。私の幼なじみであり、密かに恋心を寄せる魔人なのだ!
いつかこの想いを届けられるくらい距離を縮めて…
そんな事を考えてるうちに魔学院の門についていた。
いつも道理、門犬ケルペロチュのチェックが入る
くんくん くんくん2度程嗅がれた後にチュッチュッとなめられると学院へと入ることができるのだ。
ケルペロチュは1度覚えた匂いは忘れないと言われ門犬から護身ペットまで幅広い。
「それじゃ俺はこっちだからまたね」
そういってケイメンは先に高等部へと向かっていった
私は背中を見送りながらもケイメンに検問したケルペロチュに間接ペロチュされてドキドキしていた。
私の日課と言うか学科と言うか悩むとこではあるのだが、どちらか!?と迫られたら恐らく学科なのだろう。
魔力の流れをイメージして自分の中で絶えず回し続ける。魔学院での半日はこの作業で終わる。遥か昔に戦争が絶え間無く続いていた時代ならともかく、今の所は特に役にたったこともない。まさに流れ作業みたいなものだ。先生の説明ではとても素晴らしい魔力操作とのことで今後が期待できるそうだ。
「レドさんのイメージ力と集中力はもう高等部レベルだわ」
そりゃそうよ!私が魔力操作するときにイメージしてるのはクルだもの。ケイメンのこと考えたら集中しすぎて半日なんてすぐなんだから。そう思いながらもルルンは
「先生の教えの賜物です!私もう高等部行けますか!?」
先生は首を横に振り
「操作した魔力を変換できるまで上達したら中等部上がってもいいかなぁ」
ルルンはいつもここで足止めされている気分になってしまう。魔学院はいわゆる飛び級システムのようなもので、優秀なものはそのレベルに合わせて卒業に向けて進んでいく。
早くケイメンに追い付きたい気持ちと中々進まない自分に焦りを感じつつもルルンは魔力変換をイメージしていた。
一方ケイメンの授業では、より困難な状況下での判断や魔力操作、配分などをこなしていた。クルの周りで観ている女子たちがざわつく。
「クル様の魔力操作時の表情ステキ」
「それに普段は暗めの茶髪なのに翠色に変わるのもセクシーよね!」
集中しているケイメンにはそんな会話は届いていない。ケイメンは身長170ちょいくらいで癖っ毛、どちらかと言うと痩せ気味の男だ。
彼は控えめに言ってもモテる。家が魔族界名家ということもあるが、小中等部は飛び級で高等部でもすでに一目置かれる存在。それを鼻にかけることなく静かな学院生活を過ごしているのも要因だろう。
オォォォーン オォォォーン 学院終了の音が響き渡る。
「さて帰るかな」
心でそう言ったケイメンは少し急ぎながら学院門に向かう。そして学院門を出たところでルルンに微笑みながら声をかけた
「待っててくれたのかな?」
ルルンは少し照れながらも
「待ってたって言うほどは待ってないかなーほんの少しだよ」
と笑顔で返す。ケイメンはルルンに気づかれないレベルで周りの魔界樹を見渡す。
「ふふっ そっかそっか さぁ帰ろっか」
ルルンは内心で?何か楽しいことでもあったのかなと思ったがケイメンの微笑みに満足して
「うん帰ろっ!」
その時だった二人の前にクル家専属執事が表れて
「お迎えに参りました 明日から先代の意思と命によりケイメン様のお見合いを開始させて頂きます」
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