第4話 飽き飽きだ

いつものように何も口にせずに着替えを始める。

傷が痛む、これも【いつも】のこと。

傷だらけの鞄を持って玄関の扉を開けて外に出る。


悪いこともしていないのに下を向いて

ヒソヒソと噂話を食料とした【人】なんて生き物が

横目でこちらを見てる。

持ち手をギュッと握りしめて早く歩く。

あの人達は、きっときっと人の不幸を喰らって

足りない何かを満たしているのだろう。


大丈夫、ボクは大丈夫なんだ、うん。

暗示とはわかっていながら、これからも続く毎日のために

感情抑えるために、しらないフリ。

分からないふり。理解できないフリ。

学校に近づけば、そこもさっきの人以上にこちらを

にやけながら、こちらを眺めている。

あちらの名前は、手を下さない、

何もしない眺めているだけの【傍観者】。

好きなことをつぶやいて、気ままな奴らだ。

何かを問うことなんかをしたってきっと答えは

「知らない、わからない」

なんだろうって。


大丈夫だ、こんな世界に飽き飽きだけれど。

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