欠けた月と幾望の降る夜-Girl who hate the sin of the moon-
世淮ひとみ
一章 And two of them became full moon.
prologue 地獄への道は善意で舗装されている
僕は救われてはいけない。
僕は許されてはいけない。
僕は幸福になってはいけない。
僕は不幸に浸ってはいけない。
僕は嬉しくなってはいけない。
僕は怒ってはいけない。
僕は哀しんではいけない。
僕は楽しんではいけない。
僕は痛がってはいけない。
僕は泣いてはいけない。
僕は人を許し続けなければならない。
僕は人を救い続けなければならない。
僕は――『人』ではないのだから。
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