歌声に知る

夜のシャワールームで、青年が一人、胸に不安を抱えている。

今夜、彼は愛する女性と共に過ごす。けれども、その資格があるのか、今さら自分に問うているのだ。

すると、壁越しに鼻歌が聞こえてきた。水音に掻き消されそうな細い歌声を、彼は初めて耳にした。

それでようやく安堵を得た。

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