愚かな研究者

先生の恋人の死体が、大きな試験管の中で浮いている。

彼女の魂をこの世へ呼び戻す。それが先生の研究の全て。

それが成就する前に、彼の寿命の方が尽きてしまった。

それを愚かと言いたくて、言いきれない。それが私。

私は先生の研究書を手に取ると、彼の魂のない身体に口付けをした。

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