第32話 張燕《ちょうえん》:俊敏なる盗賊団「黒山賊」のリーダー
趙雲とおなじく常山の人です。
後漢末期、天下が乱れに乱れた時期、褚燕は盗賊団を率いて各地を荒らしまわっていました。
食い詰めた民たちは褚燕の盗賊団につぎつぎと加わり、やがて一万人以上もの大組織になります。
おなじころ、張牛角(某焼き肉屋ではない)が頭目をつとめる盗賊団があり、張燕はこれと合流して張牛角を頭目にしました。
しかし張牛角はいくさの最中、流れ矢にあたってあえなく負傷。
死の間際、「褚燕を頭目にせよ」と皆に伝えます。
こうして褚燕は、張牛角から「張」の姓をゆずりうけ、「張燕」と名乗ります。
張燕は人並みはずれて動きがすばやかったことから、「張飛燕」とも呼ばれました。むだに名前がかっこいいです。
張牛角のあとを継いで事業拡大し、河北各地の盗賊団もその傘下にどんどん加え、ついには百万をもこえる超大手の盗賊団にまで成長します。
張燕は団名を「黒山」としました。「黒山賊」の結成です。
あまりの大軍に、漢王朝もなすすべがありません。
しかし張燕もしたたかで、勢いのあるうちにと、漢王朝に降伏して平難中郎将の官位をもらいます。
賊軍ではなく、正式な官軍となったのです。
以降、反董卓連合軍が結成されたときに協力したり、公孫瓚に協力して袁紹とたたかったりしました。
しかし袁紹に敗れたのちは、軍団の勢力が衰えていきます。
曹操が冀州平定に乗り出したとき、勢いのある者に乗っかろうと、張燕はこれに協力。
平北将軍に任命され、のちに安国亭侯に取り立てられます。
こうして張燕は安泰に一生を終えたといいます。
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