第二章 地底と天空 BGM #02 ”dive to freedom”.《008》
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サーバー名、シグマブルー。始点ロケーション、常夏市・半島金融街。
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ようこそリリィキスカ=スイートメア様、マネー(ゲーム)マスターへ。
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ダックスフントみたいに胴体の長い黒塗りのリムジンの中で、おでことメガネの少女、リリィキスカは苛立っていた。
やって来て早々、中央のガラステーブルに散々な報告がぶちまけられていたからだ。いくつものウィンドウが開き、同じ『
『ヤバい、ヤバいヤバいヤバい! ヤツら、どうやってか知らねえが気づいていやがる! コントローラを直接狙われているぞ!?』
すでに半島金融街を中心に、マップ上に複数の赤いバツ印が書き込まれていた。
その全てが先物取引の価格を作為的に動かすためのコントローラの位置だが、実際に現場を見た者はおそらく首をひねるだろう。
そこにあるのは建物ではない。ただの錆びついた金属製のダストボックスなのだから。
ただし、
『野菜工場だ! ゴミ箱に偽装してあっちこっちに分散させておいた野菜工場が、焼夷弾か何かで次々と吹っ飛ばされてる! くそ、舐めやがって、くそ! ここもだ!!』
先物価格を操る方法は二つ。
一つ目は、貨物船や列車を爆破して、商品が街に届くのを阻害する。量を絞れば自然と値は高騰していくはずだ。
そして二つ目。『
プラスとマイナス。
双方を押さえる事で、『
そのはずだったのに、
『ふざけやがって……見つけた、見つけたぜ。あのミントグリーンのクーペ!! 今すぐ蜂の巣にしてやる!!』
「待ってチタン! 増援で取り囲むのを待っ―――」
声は届かなかった。
いきなり通信が途絶したからだ。
最初意味が分からず、やがてじわじわとリリィキスカの脳裏に冷たい事実が浸透する。
「……うそ、でしょ……?」
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