私とうさぎ
紫桜 黄花
第1羽 出会い
その時のことは、結構曖昧であやふやなところが多い。確か小学校一年か、二年のとき。(お母さんが言うに小学校一年生後半のとき)
うさぎ飼いたいね、とお母さんと話しているときだった。この時より少し前に一歳の雌うさぎをお母さんの友人の友人から貰い飼っていた。
動物を飼うこと事態初めてで、小さいながらドキドキと不安があった。その子は白い雌うさぎで、元気がよく食欲旺盛で、最初の頃はゲージから脱走したりしたりで大変だったのを覚えている。
私の家はマンションで庭が無かった為、散歩代わりというか、掃除をする為にベランダに放していた。そこでも色々とあった。隣のベランダに行ったり、ゲージに戻そうとお母さんと対峙したり……。
まぁ、中々手の掛かるこではあった。(前の家でも大変だったらしい)
しかし、母子家庭で一人っ子の私が、不安じゃなくなるように、とか、寂しさを紛らわすために、とかだったから結果オーライ?
そんなうさぎと夏の終わり(秋に近い)に近くの大きい公園に散歩しにいった。今でも覚えているけど、初めての場所にうさぎって弱い?のかな?意外と大人しかった。
家に帰るまでは何ともなかった。
何もかもが初めてで、楽しさで溢れていた。もうすぐ家に着くというときにうさぎが何か辛そうだった。よく分からないけど、いつもより元気が無くて触ってみたら少し熱かった。
すぐに家に帰って保冷剤などで冷やした。本当に辛そうでお母さんが抱き上げても抵抗せず、『助けて』とか『お母さん』って言っていたかもしれない。その後ぐったりして、すぐに近くの動物病院に連れていった。
その時にはもう遅かった。先生がいうに熱中症だという。
秋に入ったばかりでも地面には熱が篭っているから、だそうだ。人だと分からないんだそうだ。
この時初めて間近で死というのを体感した。そしていっぱい泣いたのも忘れない。
やっぱりうさぎかいたい。小さい私の心に空いた穴。それを塞ぐためにも、もう一度うさぎを飼いたかった。
そしてネットで里親募集しているところを見て、見つけた。
───この子だ……!!
直感的なものか何かが伝わってきた。
私とうさぎ 紫桜 黄花 @usamahura-flute
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