(10)旅の思い出

 バイクで旅をした時の話です。


 BGMはこれです。↓ 奥田民生で「イージュー★ライダー」

 https://youtu.be/Mg7rtAWKdok


 大学を出て2年目位かなぁ。当時付き合ってた彼女と徳島県三好郡西祖谷山村(現:三好市)の日本三奇橋の一つ「かずら橋」(重要有形民俗文化財)に行てきました。


 徳島県観光情報サイト「阿波ナビ」

  https://www.awanavi.jp/feature/kazurabashi.html



 季節は晩秋から初冬の頃。バイクのタンデム(二人乗り)で行きました。


 金曜の夜に大阪の南港からフェリーに乗り徳島へ。

 そこから夜の徳島を南下して、未明にウミガメで有名な海部郡美波町日和佐へ着きました。NHKの朝ドラの舞台にもなったところです。

 眠たいのと雨で寒かったので無人の日和佐駅の待合室で、二人身体を寄り添い、始発まで寝ましたね。


 日が昇ると更に南下して室戸岬を周り、南国市を経て「かずら橋」を目指します。

 ところが昼頃になって暖かくなってくると眠たくなってきたので途中、安芸市の海岸で昼寝をします。

 その昼寝が少し寝過ぎてしまっったんで、このままでは「かずら橋」に間に合わんと思い、急いでバイクに乗り、かっ飛ばします。


 ところが海岸から出て直ぐの所でスピード違反取締のレーダに引っかかってしまいます。こんな所で捕まってたら「かずら橋」に間に合わへんし、違反の反則金を払うお金も無いので悩みました。


 その頃僕は若かったんですね。サーキットでもバイクで走り、レースをするぐらいの腕がありましたから、


「検問をぶっちぎってやろう。止まるのは任意や!」


 と考え、取締の手前でコンコンッと2速落として急加速で逃げました。

 結局、10キロ程逃げた所で8台のパトカーに囲まれて捕まってしまうんですけどね。(良い子はマネしないでネ。悪い子は……、知りません!)


 そんなんもあって、「かずら橋」のある祖谷いやには日没後に着いてしまいます。

 祖谷はとても険しい谷にある平地のほとんど無い村です。「ようこんなとこに建てたなぁ」と思うぐらいの崖っぷちに家が建ってます。


 さて今日の宿探しです。ホテルが数軒あったんですが、どこも満室で泊まれません。

 ほんで「どないしよかなぁ」とバイクでフラフラしてました。


 寒さも厳しくなりお腹も空いてきたんで、唯一空いていた食堂に入ります。そこで晩飯に「祖谷そば」を食べました。温かいお蕎麦は、僕は外道やと思てたんですが、そこの蕎麦はめっちゃおいしかったし、身体も温まりました。


 そこで食堂のおばさんと世間話をしてたついでに宿の事を聞いてみます。その食堂は民宿もやってるって事で、そこへ泊めて貰うことにしました。

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