(3)映画館で……

 フォローされまくり。ありがとう御座います。めっちゃバレてるなぁ。緊張します。


『お便り紹介』小鳥遊 知依さんより

恋バナですね( *´艸)( 艸`*)

新作通知来ますから、バレますよ〜(笑)


 そっかぁ。それが有りましたね。自分の作品は新着しないので忘れてました。

 これ、ほんまはエッセイで、昔し書いてた原稿やったんですけど、ネタが無かったのでそれを分解・改稿してお送りしてます。



 ここからのBGMはこれです↓

 https://www.youtube.com/watch?v=Fo23KT4mxug


 高校生活も慣れてきた5月、僕は新しい友達ができました。当時流行ってたYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)というグループの曲を口ずさんで廊下を歩いてる奴に声を掛けたのがきっかけでした。ほんで、そのYMOのメンバーである坂本龍一氏が映画に出てるという事で、そいつと一緒に商店街にある古ぼけた小さな映画館に行きました。


 上映時間ギリギリに入った僕らは後ろの方の端っこの席に座ります。まだ予告編をやってたんで、「間に合ったー」と安心して、ふと横を見ると隣の席に座ってたんはなんと藤本っちゃんやったんです。僕もびっくりしたけど、藤本っちゃんも相当びっくりしてました。


 偶然の出会い。これはもしかして恋の予感。運命かなぁ。


 それは思い過ごしやとしても、兎に角、藤本っちゃんと話したかったんで、話そうとしたんやけど本編が始まってしもたんでその時は挨拶しかできませんでした。


 その見た映画というのんが、今BGMとして流れてる大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」です。他に北野たけしも出演してました。

 映画は、当時高校生だった僕らには非常に難解な内容でした。BL的要素もあり衝撃的でしたけど、坂本龍一氏が手掛けたサウンドトラックも素敵で、感動して涙を流しながら帰ったのを憶えています。


 映画が終わってエンドロールを見てたら、藤本っちゃんは一緒に来てた女の子の友達と先に帰ってしもたんやけど、次の日からその映画をどう理解するかで教室でも藤本っちゃんと話すことが多くなりました。それに今流れてる曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」も大変気に入ってくれたみたいで、


「あの曲めっちゃ良かったやん。もしピアノであの曲弾いたらめっちゃ感じええんちゃう」


 と藤本っちゃんが言うもんやから、


「僕、昔ピアノ習ろてたから弾いてみよか?」


 って言うと、


「ほんまにぃ。めっちゃ嬉しいー」


 と憧憬の目で見られたさかい、僕は舞い上がってしまいました。

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