妖怪と青春するには

二月のやよい

プロローグ

　かねてより鬼と人間は密接な関係を保っていた。

　鬼の由来は隠（おぬ）であり、かつては見えないものを総称しこう呼んでいた。

　閻魔大王の配下である鬼、また地獄に落ちたものの一つである餓（が）鬼（き）、天（あまの）邪（じゃ）鬼（く）やこの世をさまよう幽霊とも言われる幽（ゆう）鬼（き）、疫病を運ぶ疫（えき）鬼（き）など、悪いもの、得体の知れないものは全て鬼であった。

　他にも、風神雷神や鬼（き）子（し）母（も）神（じん）など、鬼の姿をかたどった神も存在する。恐るべきもの、そして何より畏怖されるべきもの、不可侵のものであった。

　けれどそんなこととは何の関係もなく、高校生活は始まる。

　世のしがらみに翻弄されながら、彼らは青春を謳（おう）歌（か）する。

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