各種問題について、自らの経験や知識に基づいて語った評論作品。
核兵器、宇宙ゴミ、温暖かなどなど。各話、それぞれの題名について評論の形で語られます。もちろん少し専門的な話については必要最低限の知識も簡潔にわかりやすく書いてくれているため、議論をする前段階で足踏み、なんてことにはなりません。
そして時に鋭く、時に熱く語られるそれぞれの問題について。
本作ならではの点としては時折、作者様の心の声が描かれているところでしょう。一般的な評論文では絶対に見かけない形式ですが、あくまでも本作はネット小説の1つでもあります。垣間見える感情が評論文という硬く冷たい印象があるジャンルの本作に読みやすさと親しみやすさを与えてくれている印象です。
それでいてきちんと「他の意見がある」という前提を常に忘れていないことも、各種表現から見て取れる。そうした細かな配慮もあるおかげで、特段のストレスなく1つの作品として読み進めることができました。
もちろん読む方にとって考え方も千差万別。賛否はあると思いますが、大切なことは賛成にせよ反対にせよそれぞれの問題について考えて、自らの意見を持つことが大切なのでしょう。
自分たちが生きている世界に興味を持つ。そのきっかけとして評論文はあるのだと思います。だけど小難しい話は苦手…。なら、その第一歩として、本作を手にとってはどうでしょうか?
各種問題に対する評論をネット小説ならではの読みやすさで切り取った作品。興味を持ち、考えさせられます…。