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毎年、文化祭では演劇部が劇を披露するんですが、その台本を私たち文芸部が執筆しています。
A
「頭痛いわね~。創作物は敬遠されて観客が少なくなるし、だからといって誰もが知っているおとぎ話じゃ目新しさがないし……」
B
「だいたい演劇部の部長って女ったらしの噂があるから、考えなしに王子様役をやらせるのもな~んか
C
「だったらぁ~いっそのことお姫様役をやらせればぁ~? とりあえずプロットA、B、二つ考えたけど」
AB
「「えっ!?」」
※プロットAの場合
― 文化祭当日 ―
演劇の題名は『怒気! 男だらけの灰被りの少女』
姉A(柔道部部長:胴着姿)
「くぉ~らぁ~! シンデレラぁ~! てめぇちゃんと掃除をしているのかぁ!?」
シンデレラ(演劇部部長:ボロボロのドレス姿)
「ひゃい! ひゃだいまぁ~!
(ど、どうなってるんだぁ? リハーサルと全然衣装と口調が違うじゃないかぁ!?)」
姉B(剣道部部長:防具姿)
「なんだぁそのへっぴり腰はぁ~! もっと腰を入れて雑巾がけせんかぁ~い!」
シンデレラ
「わ、わかりまひたぁ~」
継母(応援部部長:学ラン姿)
「おうおめえらぁ! 城の舞踏会へカチコミ行くぞぉ!! 掃除もできんシンデレラはおとなしく正座じゃぁ!」
姉AB
「押忍!」
シンデレラ
「お……押忍」
― 舞台の袖 ―
A
「さっすが武道系の部長! 演技に
B
「観客にもウケがいいみたいね」
C
「そしてとどめは……っと」
― お城の舞踏会 ―
王子(相撲部部長:まわし姿に頭だけ王冠)
「おおっ! なんと美しい姫でゴンス。俺と相撲……いや、踊るでゴンス」
シンデレラ
「い、いや、遠慮しま……」
王子
「そうれぇ~まずは突っ張りでゴンスゥ~」
シンデレラ
「ぎゃああぁぁぁ!」
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