第31話 魔術士は出会う。懐かしきものたちに


「アリサ……? もしかして君はアリサ・ファイアドレスじゃないのか。なんでこんなところに……」


 いくら歳月が流れても、アクアがその顔を見間違えることはなかった。行方不明になっていた学生時代のクラスメイトが目の前に現れた。驚くのは当然だ。

 青く癖のある髪、つり目がちの瞳。透き通る肌。あの頃よりも女らしく、色っぽくなってはいるが、彼女がかつて共に学んだ友であることをアクアは瞬時に確信した。


「……アクア? アクア・マリンドール? まあ! 久しぶり! すごい偶然ね」

「どうしてこんなところに」

 明るくはしゃぐアリサとは対照的に、アクアの声は震えていた。


 魔天楼閣にいた頃、アクアはいつもアリサに振り回されていた。他クラスとの騒動の後始末や危険な魔術の実験台にされることもあれば、先生への悪戯の片棒を担がされたこともあった。その度に、不満は言ってはいたが、二つ年下の少女に甘えた声で頼まれると、アクアはどうしても怒ることができなかった。

 アリサが古代遺跡で『何か』を見ておかしくなってしまった時も、ルームメイトのトオルと一緒に彼女の治療のためにできることはなんでもやった。結局アリサは魔天楼閣から処分という名目で追放されてしまったが、それでも心の奥で無事を祈っていた。

「どうして、君がここに……。いや、生きていてくれて嬉しい。でも……」

 こんなところで出会いたくなかった。口には出さずに心でつぶやく。

 アクアの藍色の瞳が揺れる。それはまるで彼の心の葛藤を映し出すようだった。


 ここ数年、魔術士協会内部ではびこる噂があった。

 協会を追われたはぐれ魔術士が復讐のために魔術士を暗殺している、というものだ。そして、その魔術士とはかつて魔天楼閣で一二を争う魔術の才能を持った『蒼玉の楯』ことアリサ・ファイアドレスだというのだ。

 根も葉もない噂だと、アクアは取り合うこともしなかったが、魔術士協会の本部に勤務する魔天楼閣の卒業生が集められ、アリサ・ファイアドレスの居場所を探し、その身柄の確保するように通達がされたと言う話も風の便りで聞いた。

 それすら信憑性に欠ける眉唾ものの話だとアクアは思っていたが、もしどこかでアリサが生きているのならば、誰にも見つからずひっそりと過ごしていてほしいと思っていたのだった。


 しかし。

 アクアはちらりとあたりを見渡す。

 壁際で気絶している金髪の少女。通路の柱の脇にはもうひとり銀髪の少女が倒れて気を失っている。それとなぜこんなところにいるのかはわからないが、魔眼鏡を貸してくれたあの黒髪の女性も全身ズタボロになって立ち尽くしている。

 そして、何より。

 中央で惨たらしく転がる昨日まで一緒に働いていた部下の変わり果てた姿。それらをちらりと見渡したアクアに複雑な感情が駆け巡る。何かを悟ったような顔をした。


「これは全部、君の仕業か。ケベル君を殺したのも君の仕業か」

「名前なんて知らないわ。わたしの名前を騙ってトオル兄ぃを虐めてた悪い奴がいたから懲らしめてあげただけなんだけど」

 無表情に、否。少し蔑んだ笑みを唇の端に浮かべてアリサは言った。

「今、なんといった? トオル兄ぃ……ってトオルか、トオル・エメラルドのことか。あいつがこの街に? どういうことだ」

 アリサの口から出た予想外の名前に、アクアの頭は混乱する。

「……アクアこそ何を言ってるのよ。目の前にいるじゃない。トオル兄ぃは」

「目の前?」アリサの視線を追うように水色の瞳を動かす。視線の先には身体中に魔術によるダメージを負った一人の女性がいた。昨日から何度か会った女性。長い黒髪が表情を隠していたが、その前髪の奥に光る瞳の色は翠玉色。肌は白く四肢は細い。

「……え? うそ!? ま、まさか……君が、トオル!? うそだろ。トオルなのか?」

 口をあんぐりと開けて固まったアクア。

「……気づくのが遅い。アクア」

 ギロリと睨まれて、アクアは昔の感覚を思い出した。彼が苛立つ時のこの目の感じ。

 この黒髪の中性的な男が魔天楼閣で共に学んだトオル・エメラルドであるとはにわかに信じられないが、このギロリと人を睨む癖は確かにトオルのそれだった。

「ど、どうりで変だと思ったんだ。なんだかとても僕を避けているようだったし、化粧は変だし、声も変に高くて……まさか女装癖があったとは……」

「待て。そんなものはない」

「と、ともかく、懐かしんでいる場合じゃないな」

 頭が混乱する。一度にいろいろなことが起こりすぎなのだ。ともかく頭を冷やして、今の状況を整理しなければならない。

「トオル、君はなぜアリサと一緒にいるんだ。僕の部下を殺したのはアリサなのか。それとも君なのか」

 状況を理解するためには目の前に立つ人間が味方なのか敵なのか判別する必要がある。魔術士協会の闇を見てきたアクアは、かつての友人が自分を裏切ることにも、嫌なことだが慣れていた。

「いつからも何も、たった今だよ。俺は人を探してここに来たんだが、現れた魔術士に殺されかけた。まさかお前の部下だったとはな。何の罪もない人を魔術で操ったり、変な魔道具を飲み込んで暴走したり、そりゃ大変だったんだぞ。もうダメかって時にアリサが現れたんだ。アリサがいなければ俺はやられていた」

 アクアは友人の瞳をじっとみる。嘘はついていないようだ。

「そうだったのか。すまない、僕もケベル君の事は疑っていたのだが、まさか本当にこんなことをするなんて、思いもしなかったんだ」

「相変わらず人がいいんだな。だから騙される」

 昔を懐かしむような友の口調は優しさと憐憫さが混じっている。

「人間、簡単には変われないよ」

 それでも、騙すよりは騙される方がマシだ、とアクアは思っている。こんなことが起きても。

 視線をアリサに移すアクア。自分が世界の中心なのだと信じて疑わないような堂々とした佇まいで、彼女は立っている。

「アリサ。君に聞きたい。正当防衛だと言うのなら、今回の件は情状酌量の余地はあるけど、君が魔術士を暗殺しているという噂が協会で出回っているんだ。……まさかとは思うが。聞いておきたい」

「ふふ。魔術士協会もあながちバカじゃないのね。バレないようにやってるつもりだったけど、やっぱりバレちゃうものね」

「本当だったのか……」

 アクアは絶句する。否定してほしかった。ただの噂だと笑い飛ばしてほしかった。

「トオルもそのことは知っていたのか」

「……俺は何も。魔術士協会とは縁を切っているからな。アリサがいるかもしれないという風の噂を聞いて、この街にやってきたくらいだ」

「そうか……。なぁアリサ。君がやったことは自分を捨てた魔天楼閣や魔術士協会に対する復讐なのか」

「半分は正解って感じ。半分は間違い。わたしが殺しているのは魔術士だけじゃないよ。魔法使いもだよ。わたしは魔法も魔術も存在しない争いのない平和な世界を作りたいんだ。だから戦っている。個人的な復讐ももちろんあるけれどね」

「アリサ……、お前はその平和のために、一体何人殺したんだ?」

 エルメラルドは語気を強めアリサを睨んだ

「んーっと。……わかんない、いっぱい」

 あっけらかんと答えるアリサを見て、エルメラルドは言葉に詰まった。

「アリサ……。俺はアリサのためなら命だって捨てる覚悟だった。お前のことを探して大陸中を歩いた。無事でいてほしい。幸せでいてほしい。それだけを祈りながら、大陸中を探し回ったんだ。生きていてさえくれればいい、そう思っていた。けど、今のアリサを認めるわけにはいかない。アリサがやっていることは間違ったことだ。わかるだろう。誰かの犠牲の上に成り立つ平和なんてない。もうこれ以上罪を重ねるのはやめてくれ。お前はお前だけの幸せを考えてくれればいい。世界のことなんてお前が抱え込むことはないんだ」

「そうだよアリサ。君はめちゃくちゃで自分勝手だったけど、人の気持ちがわかる優しい人だったろう。思い直してくれ」

「二人とも、ちょっと何を言ってるかわかんない。この世界はおかしいのよ。魔術や魔法なんてなくてもいいものでしょ。だから、わたしは頑張ってるのに。正しい世界を作るために頑張ってるだけなのに。どうしてそれを否定するの」

 苛立つアリサの言葉を遮るようにしてアクアが口を開く。

「わかる。言ってることはわかってるよ、アリサの気持ちも痛いほどわかる。君は破天荒だけど、心は優しい子だったから」

 叱るような激しい口調ではなく、幼な子に言い聞かせるように優しい口調だった。

「だけど、そんなに思い詰めなくていいんだ。自分一人で世界を背負ってるような張り詰めた顔をして……」

「私は正しい! 世界のために正しいことをしてる!」

「そうなのかもしれない。でも、ぼくには君の行動を許すことはできない」

「どうして!?」

「だって、君の殺した魔術士にも家族がいて夢があったはずなんだ。僕だって君と同じように、争いのない平和な世界を作りたいと思っているよ。だけど、僕が求めるのは、誰かを排除して得られる平和じゃない。どんな人がいても手と手を取り合う人々で溢れる世界だ」

「ああ。そうだよ。アリサ。俺はお前を追いかけて魔天楼閣を出て、初めて魔術士以外の人と深く付き合うようになった。そうしてわかったんだ。人間は分かり合える。亜人とも一緒に酒を飲んで笑いあえるし、魔法使いと同じテーブルで飯だって食える。誰かを排除して得られる平和なんて無意味なんだ」

 二人してアリサを宥めるが、アリサは聞き分けのない子供のようにイヤイヤと首を振った。

「なんでわかってくれないの! もういい! わたしに意見するってことは二人とも魔術士協会の堅物とおんなじってことじゃない!」

「違う」「それは違う!」

「違わない! もういいよ。せっかく会えたのに。わたしの気持ちをわかってくれると思ったのに!」

 アリサのヒステリックな叫びに彼女の魔力が反応する。ビリビリと大気に小さな稲妻が走る。

「やめろアリサ。落ち着くんだ」

「わたしを否定するんなら、二人とも死んじゃえ!!」

 両手で身を抱くようにしてイヤイヤをするアリサの叫びはそのまま魔術に変換された。衝撃波となったアリサの叫びが二人を襲う。

「ちっ!」「くそっ!」それぞれが目の前に魔術の障壁を生み出して身を守る。

「トオル。マズイぞ。やっぱりアリサはあの頃のアリサじゃない」

「ああ。そうみたいだな。しかし、戦うにしても傷つけたくはない。それに、後ろに無関係な人間が二人もいるんだ。ソッコーでケリをつけないと、アリサのバカの魔術で倉庫が崩れたりしたら被害者が増えるだけだ。元も子もない」

 倒れている二人の少女を案じたエルメラルドにアクアは頷いた。

「ああ。だけど、君も随分ボロボロじゃないか。戦えるのかい」

「これでも昔は翠玉の劔って呼ばれる程度には有名な魔術士だったんでね。なんとかいけるさ」


「何を二人でこそこそ話しているの。謝るなら今のうちだよ!」

 叫ぶアリサの声がそのまま魔力を孕み、数本の光の矢となって二人に襲いかかった。左右に散って魔術を避けると、対角線上のアリサにそれぞれ魔術を放つ。

「水よ!」「光の刃!」

 アクアの指先から放たれた水弾がアリサの視界を防ぎ、エルメラルドの掌から放たれた弧状の光がアリサを捉えたと同時に爆発した。アリサの姿が爆煙に包まれ消える。間髪入れずに、二人は煙の中に飛び込んだ。魔天楼閣の頃でさえ、他の追随を許さぬほどに結界魔術を極めていたアリサだ。並大抵の魔術で挑んでも勝機はない。魔術はあくまで補助的に活用し、決着は魔力を込めた肉弾戦でつけようと、打ち合わせもせずに二人は考えたのだ。アリサがいくら蒼玉の楯と呼ばれる魔術士であっても、体力や格闘術では二人の方が上だった。

 拳に魔力を集めたアクアが視界の悪い硝煙の中に飛び込むと、やはりアリサは無傷だった。しっかりと的確な魔術障壁を作り出して二人の魔術を防御していた。しかもアクアが飛び込んでくるのも予想していたのか、接近してきたアクアに対して瞬きの一つもしなかった。

 心の中を見透かすようなアリサの蒼玉色の瞳を受けて、嫌な予感がしたが、アクアは怯まずに魔力の闘気を纏った拳を左、右と放った。アリサは軽やかなステップで後方に上体を反らしアクアの攻撃を躱す。

「こっちもだ!」反対側から飛び込んだエルメラルドが長い髪をなびかせながら、その長い足でアリサの脇腹を狙う。

 身をよじり腕を使ってガードしたアリサの口元が魔術を発動するために、細かく動くのを二人は見逃さなかった。

「しまったっ!」「誘われたか!?」

 二人が後方に飛び退くと同時にアリサの周囲の地面が円形に沈む。まるで巨人の拳を叩きつけたようにいびつな椀型にひしゃげた地面の真ん中で、アリサは口元に笑みを携えていた。

「懐かしい攻撃パターンだね」

 そうだった。

 なんとか避け切った二人は冷や汗を流した。もう一〇年も前の学生時代によく使った戦法を、無意識に繰り出していた。いつも横で、もしくは対戦相手としてみていたアリサが防ぐのは造作もないことだった。

「アクア。見抜かれてるぞ」

「体が覚えてる連携だったからね。申し訳ない」

「それにしても、アリサの奴。本気だな」

 彼女の周りのクレーターをみて、ゾッとする。もしまともに食らっていたら今頃ペチャンコだ。

「わたしだって二人が苦しむ顔は見たくないんだよ。せめて一瞬で終わらせてあげようと思ったのに」

 しょんぼりとした口調でアリサが言う。

「こちらも同じ気持ちだアリサ。お前の苦しむ顔を見たくない。一気にカタをつける。行くぞアクア」

 エルメラルドの掛け声にアクアも頷く。だが、アリサは余裕たっぷりの顔だ。

「でもね。いくら頑張っても、接近させなきゃいいだけだから。わたしにとっては楽な戦いなんだけどね」

 アリサは気楽に言うと呪文の言葉を呟いて両の腕を交差させる。瞬時に緻密な魔術構成が浮かび上がるのを感じて、エルメラルドは魔術障壁を呼び出すべく魔術式を編んだ。

 相手の魔術の構成を見てそれに対応できる障壁を作り出すのが防御魔術の基本だ。使用する魔力量を考慮せずにただ防ぐことだけを念頭に置けば、どんな魔術でも大体は対処できる。更に言えば、アリサは同時に二人に向かって魔術を繰り出す気だ。ならば冷静に対処すれば防ぐことは難しくない。


 ……だが、


 エルメラルドの防御魔術よりも早くアリサの魔術は完成した。まだ魔術の構成が組み上がっていない無防備な体勢のエルメラルドに鋭い魔術の刃が猛然と襲いかかってきた。

「なっ!? 早い!? くそ!」

 驚いたエルメラルドが中途半端な構成のまま、魔術障壁を前方に展開して後方へ飛ぶ。が、アリサの魔術は露でも払うかのように簡単に障壁を突き破り、エルメラルドの脇腹を裂いた。吹き飛ばされたエルメラルドは苦痛に顔を歪める。

「トオル!? 大丈夫か!?」

「うぐ……。だ、大丈夫。致命傷ではない。かすっただけだ」

 強がりだ。お気に入りの白いシャツをじわりと血が染めていく。揺れる視界を開き見れば、アクアはきちんと魔術障壁を作り出しアリサの魔術を防ぎ切っていた。そうか、アリサの魔術構成が早いんじゃない。自分の魔術の腕が落ちているのだ。

「くそ、一〇年のブランクか……」脇腹を抑え苦しげに呟く。魔術から離れていた期間がそのまま二人との差になっていた。

「そっか。トオル兄ぃは魔術をやめちゃってたんだね。アクアの方が全然魔術の構成がしっかりしてるからどうしたのかと思っていたんだけど、そういうことか。なら、より一層わたしには敵わないんじゃない?」

 アリサが見下すように笑みを浮かべる。

「どうする? 諦めてくれるなら、わたしも帰るよ。まだ抵抗するってんなら仕方ないけど」

 勝ちを確信したアリサの態度。顔をしかめて膝をつくエルメラルドと、苦い表情のアクア。

「弱っちいトオル兄ぃなんて見たくなかったなー」

「……まてよ。アリサ。まだだ。まだ終わっちゃいない」

「トオル。その傷で動くと危険だ。あとは僕に任せて」

「一対一? 模擬戦でもわたしに勝てたことがないアクアが?」

 嘲笑を通り越して蔑むような目線のアリサに、アクアは怯むことなく睨みを効かせる。

「ああ。一回も君に勝ったことはないよ。でも、それは昔の話だよ。この一〇年。君がいなくなってから、僕はがむしゃらに努力した。僕は二度と大切な人を失いたくないと思ったから。自分が強くならなければいけないと、心に誓ったんだ」

 アリサの姿を見つめるアクアの瞳の奥に炎がともる。かつて守れなかった友人が、今こうして間違った道を進んでしまっている。とめなければいけない。もう悲劇は見たくない。

「そう。ならかかってきたら」

 対照的に冷めた表情のアリサ。つり目がちの瞳は興味をなくしたおもちゃを見る幼子のように冷たい。

 アクアは思い出した。昔もそうだった。アリサはその美しい蒼玉色の瞳を情熱的に燃やすのはトオルにだけだった。一緒にいても、どんなに二人で過ごしてもアクアにその眼差しが向けられることはなかった。

 アクアがいつも見ていたアリサの瞳の真ん中には、トオルしか映っていなかったのだ。だけど、それでもよかった。アリサが心から笑っている姿を見るだけで幸せな気持ちになれたから。しかし、今のアリサの笑顔は違う。こんなに冷たい瞳のアリサは見たくない。

「アリサ。君を止めるのは僕だ」

 両手に魔力を纏い、同時に魔術の構成を空中に編む。

「へえ。そんな器用なこと、できたんだ。並行して別の魔術を編むなんてね」

「これでも、魔天楼閣を首席で出たんだよ。いつもナンバー四だったこの僕がね!」

 自嘲気味に呟いて、目を閉じる。頭の中で思い浮かべる魔術式は描いた通りに構成されていく。全てのパーツがどこに収まるかわかりきっているジグソーパズルを組むように、一分の隙間なく魔術が構成されていく。

「アクア……」その情景を痛みに耐え頬を引きつらせたエルメラルドは見ている。一〇年の重み。これがアクアと自分の差だ。自分が不要と投げ捨てた物を、磨き上げて丁寧に築き上げた努力の結晶をそこに見た。


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