ダリアとばあちゃんずの手仕事
ダリアはすごく精密で豪華な花です。とってもキレイで大好きです。
この花は、細い茎がすっと伸びた先に、いくつもの小さな花弁が放射状にキレイにならんだ花が付いています。中心のほうから咲いていくので、外側の花弁から萎れていきます。そこを取り除いていけば、かなり長く持ってくれます。
大きさや花色も種類が豊富で、その美しさから装飾品のデザインにもよく使われています。
ダリアをモチーフにつまみ細工(着物の時に着けるヘアアクセサリーのようなもの)を作ったことがあって、まず花弁を十字に置いて、そこから放射状に花弁を足していくのですが、どうしてもズレる…
自然のデザインって、本当に素晴らしく完成度が高いと思います。って、自分が不器用なだけですが…
うちのひいおばあちゃんは生前、趣味で手鞠を作っていました。そのデザインがダリアのように円の中心から放射状に刺繍が広がっています。
その精密で美しいこと。血が繋がっているはずなのに…
手鞠は糸を巻いて下地を作り、その表面に刺繍を施してゆきます。何日もかけて、丁寧に丁寧に仕上げてゆくおばあちゃんの手仕事は、合理的に暮らす今の私たちが忘れつつある大事なことのように思います。
この手鞠のおばあちゃんの娘が、バラの回に出てくる認知症のおばあちゃんなのですが、この方も以前は編み物やレース編みが得意でした。認知症になった後でも、洗濯物を干すときは小さく畳んで叩き、シワを伸ばしてから丁寧に広げて干します。取り込んだものは折り目正しく畳みます。お米は30分浸けおかないと絶対に炊かせてくれません笑。丁寧な営みが染み込んでいるんですね。ここまではいいのです。
しかしその娘(私の母)が、かなり大雑把な性格で、それでもミシンは得意でした。しかし、最後に私になって、ついに「丁寧さ」という言葉が辞書から消えてしまいました…
いかん。このままではいかん。
ばあちゃんずを見習って、丁寧な営みを心がけていきたいと思います。
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