自由に生きるとは2

 障害児を育てる親は、子供が障害児から障害者と呼ばれる大人になっても、施設に入所させることはしたくないのです。


 理由はいろいろあるのだと思いますが、我が子のことは親である自分にしかわからない、自分のように施設の人がやってはくれない、可哀想……。などなど。


 わたしも自分以外の人が、娘をみれるわけがないし、24時間目が離せない娘を施設に入れたら死んでしまう、と思いました。


 一番強い思いは、可愛くて手放せない!ということですね。60歳になる友達も未だに家でみています。可愛くて預けられない、孫なんて比べものにならない、この子が一番可愛いから。そう言います。


 でもやはり、いつかは入所させなくてはならないのです。わたしは股関節が悪くて、いつどうなるかわからないということもあり、母が病気になる前から、まぁ10年くらいかけて、一番安心できる施設を探そうと考えていたんです。考えるだけで憂鬱ですが、仕方のないことですから。


 それが、10年どころか、母が入院をしてすぐに、施設に入所させなくてはならないことになったのです。


 入院時は、このまま死ぬのでは?と思うくらい、膠原病の悪化からの肺と心臓も悪くなってました。心不全。


 それでも、酸素ボンベは必要だけど「もう退院してくれる?」と言われました。もう病院ではすることがないからですね。


 いやぁ〜ちょっと待って!


 その酸素ボンベを抱えた母、散々脅された言葉「突然死」


 その母と障害者の娘を、わたしひとりでみられるわけがない。


 助けてぇぇぇぇぇ!


 デイサービスの人たちや(その施設に入所させてくれないかなぁと思って)支援センターの方に相談して、入所させてくれる施設を探しました。


 ないんです。


 当たり前です。特養老人ホームと同じで、肢体不自由障害者の施設も、何十人、何百人と待っている人がいるのです。


 だけど、運良くたまたま空きのある施設があったのです。


 不安でした(笑)


 人気のある施設は待っている人がおおいのです。なのに空いてるとは?


 虐待でニュースになったことのある施設ではありませんでしたけど、助かるけど怖い。デイサービスで利用したこともないのに、いきなり入所させるのは怖い。


 とにかく家でみるのは無理なので、娘と一緒に見学へ行きました。


「できれば入所させて頂きたいのですが、娘はゴロゴロゴロゴロ転がります。大丈夫でしょうか?」


「大丈夫ですよ」


 へ?


 何が大丈夫なの?


 みたことないのに。


 とか話してる間に、娘はその施設でお昼ご飯を食べさせてもらってました。


「食べさせてるところ見たいんですけど」


「もう食べ終わりましたよ」


 へ?


 一度もみたことないのに食べさせることできたの?


 わたしは、学校や施設へ預ける時には、何度も何度も娘のことを説明しないと不安でしたし、相手側も、大丈夫かなぁという感じでした。


 娘のことを書き出すと止まりません。


 つづく

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