綿毛の人生

時折僕は心を捨てたくなる。

川に流すのもいいかもしれない。

川の下流で見つかった僕の心は水をたっぷり吸い込んで膨張しているかもしれないし、あるいはもっと固いもので欠けたり割れたりしているかもしれない。


みんな同じように心をもっているはずなのに僕だけが苦しくみえてしまう。

どうして同じだけの思いやりとか優しさだけをもつことができないの。

ひとりに1つずつの心なんてなくていい。

何も感じない方がいい。


嬉しいことも楽しいことも引き換えになったって、僕は怒りも痛みも苦しみがあったことも許すから、今以上に苦しくならないように、せめて綿毛のように、飛ぶように、生きることを与えてほしいんだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る