追憶

杉ちゃんシリーズの中でも時々あるサスペンス形式のお話。このお話では、のちの重大なキャラクターである、花村義久が初登場するのです。ノロこと野村勝彦は、大規模な社中を持っている、くらいの高い箏曲家という感じですが、花村は、位高くても、基本的に孤独なようです。その違いをしっかりと描きたいと思います。

私は時折思うのですが、日本の邦楽は、何だか軽視されすぎてしまっているような気がするんです。邦楽は、どうして、こんな風に愛されない音楽になってしまったんでしょうね。本当に邦楽に携わろうとする人は、みんなお年寄りばっかりだし。最近、古典箏曲で有名な出版社、博信堂が倒産してしまいましたが、なにか、出来る事はなかったんでしょうか。実は、お琴を習っている私の目からすると、博信堂の楽譜が、もう手に入らないというのは、非常に困ったことなんです。だって、古典箏曲を習おうとしても、楽譜がないんですから。本当に何とかできなかったのかな。それだけが心の残りなのですが。