保育士の実情


私は、子どもが好きで保育士になったというのはもちろんあります。が、従妹に子どもが生まれた際に、おむつ替えや、ミルクをあげるのを手伝うと、従妹が喜んでくれ、自分が好きな子どもと関われ、その子どもの親から喜ばれる。

そんな素敵な事はないなと思い、保育士になることを決めました。


しかし、現実は甘くありませんでした。


まず、私の居た園の一日の流れを伝えます

(出勤、各クラスの環境整備、掃き掃除など)

・順次登園

・手洗い

・おやつ(アレルギーのある子に注意)

・朝の会

・排泄(人数分のおむつ替え又はトイレットレーニング)

・お散歩

・排泄(人数分のおむつ替え又はトイレットレーニング)

・手洗い

・給食(アレルギーのある子に注意、保育士は食べない)

・着替え

・排泄(人数分のおむつ替え又はトイレットレーニング)

・午睡(寝られない子、途中で起きる子も居る)

(ここで昼食、休憩、連絡帳、日誌、おもちゃ拭き、生存確認、午後の遊びや制作の準備など)

・着替え

・おやつ(アレルギーのある子に注意)

・室内遊び

・順次降園

(各クラスの掃除、洗濯、翌日の準備、退勤など)


これは一例ですし、早番・中番・早番はあります。

しかし、正直、休憩時間と呼べる休憩時間はありませんでした。


休憩である午睡中も子ども達を見ていないといけませんし、書き物や午後の準備、起きてしまった子を放っておくことが出来ないですし、大きい声や音を出すと他の子が起きてしまうので、静かに絵本を読んであげたり、遊ばせたりしていました。


1年目の私はまず、連絡帳に時間がかかりました。良い事や、成長が分かる事を書かなくてはならないですし、毎日書いていると、その成長も少なくなって来て、書くことが無い事もあります。

それでも、保護者達は読むのを楽しみにしてくれていたりしていますし、私もその子1人ひとりの成長や、その日の様子を書いて伝えたいと思い、頑張って考え、思い出して書いていました。


それでも、その一生懸命書いた連絡帳の内容で、翌日の連絡帳に「お聞きしたいことがあるので、お迎えの時、時間をもらっていいですか」と書かれました。

どこがダメだったのか分からず、他の先生に連絡帳を読んでもらいましたが分からず・・・。結局、どこをどうやって歩いたのかが分からない。交通量の多い所だけど、安全面は考えられているのか。などの指摘でした。


私は単純に、手をつないで歩けなかった子が歩けた事を伝えたかったのですが、そこは伝わらず・・・数ヶ月経っていたのにも関わらず、安全面を心配されてしまい、その保護者から信頼されて無いと感じとても悲しい気持ちになりました。

親が私を信頼していないため、その子どもも全く私に懐いてくれず。それを言われたこともありました。


もちろん、「いつもありがとうございます」と感謝してくれる保護者の方も居ますし、ほんと、人それぞれではありますが・・・こうした保護者の対応も行わなくてはなりません。




さて、これだけ一日ほぼ休憩する時間もなく働いている保育士。

給料はいくらぐらいだと思いますか?


まあ、それこそ園によっても、都道府県によっても違いますが、私は時給900円あるか無いかぐらいでした。


これを聞いてもなお、保育士不足にっている理由が分かりませんか?

私のような潜在保育士がなぜいるのか、分かりませんか?

お金が全てでは無いとは思います。


私は1年間保育士をして、人として成長は出来たと思います。

しかし、このまま続けていたら、大好きなはずの子どもを嫌いになってしまうと何度も感じ、辞めることを決意しました。





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