下降 4
ブーケや指輪、白いドレスという足の短いあなたには似合いそうにないものばかりで、あなたの本当の可愛らしさが皆に伝わらなくて良かったとホッとしている。だけどあなたは不安そうな顔をしていた。
あなたはずっと独りだった。家族がいなかったわけではない。ただ、目まぐるしく変化していく環境に振り回されて、ついには独りになってしまった。あなたが最も嫌いな独りになってしまったのだ。あなたからすれば僕は、それから逃れるための道具かもしれない。だがそれでもいい。と、自分に言い聞かせている。それで幸せを感じられるなら。と。
世界一無責任な鐘が鳴った。今日だけはあなたの隣を歩くことが少し恥ずかしかった。それはあなたにドレスが似合っていなかったからではなくて、あなたに"結婚"が似合っていなかったからだと思う。でもこのとき僕は、もうあなたを独りにしないと誓った。それに応えるように、死んでもこの誓いは消えない。と、あなたは誓った。
下りていく。そこは見えないが、僕は頭を打つけた。
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