回想の階層

マシダ総務

プロローグ

「もう、死んだらいいのに。」

ふと僕の口から零れた言葉は思った以上に哀しかった。

その夜も、あなたは眠っているだけだった。僕はそれを見ている。見せられている。月明かりで顔の半分だけ黒くなってしまったあなたを、僕は見せられている。そして思考を放棄した意識の中で終わりのない記憶の螺旋階段を足早に上って下りて、上って下りて、上って・・・上りきったときにいつも無意識的な溜息と肩にずっしりともたれた疲労感が、僕に孤独を与えていた。

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