第2話 放課後の予定
「…さん、平野さん」
俺は誰かに肩をゆすられて目を覚ます。
「もう、平野さんったら。授業全部寝てましたよ。ぴよちゃんも怒ってますよ」
「ぴぃー!」
あ、そうか、俺はあのままずっと寝てたんだな。新学期早々、中々先が思いやられるスタートだぜ。
「お、教也、起きたか。今日は午前で授業終わりだからカラオケ行こうぜ!!」
なんて元気な奴なんだ。おそらく身楽も授業を寝てたであろうに。
「何が楽しくてお前と二人で行かなきゃならないんだ。パスだ、パス」
俺は荷物を片づけて、席を立った。
「ちょっと待ったー!俺もお前と二人なんて御免だよ。ノエルときららちゃんと咲姐さんも来るから」
「あ、そうなのか。なら別にいいぜ」
身楽と二人ならともかく、女の子も三人来るのなら問題なしだ。
「くぅー!咲姐さん、聞きましたか!こいつ、俺と二人はだめなのに女の子が来ると分かった瞬間これですよ」
「まぁまぁ、身楽君。教也君も男の子ですからね。大目に見てあげましょう」
…ちょっと待て、なんか俺がむっつりみたいになっている気がするんだが。
「まあとにかくカラオケに行きましょうよ。もうすぐ文化祭で忙しくなってしまいますし、文化祭が終わればすぐにテストがありますからね。生徒会長である私の目の前で赤点を取るなんて絶対に許しませんからね」
咲はにこにこしながら言っているがまったく目が笑ってないぞ…。
「大丈夫なのだ、俺には福郎がついてるのだ!」
ノエルは福郎を撫でながら咲に言ったが現実は甘くない。
「ノエルちゃーん?この二年生三百二十人のうち、ワーストスリーを占めている人ってだれか知ってます?」
「さぁ、知らないのだ。きらら、誰か知っているか?」
「ええ!私ですか!」
きららはしぶしぶと発言した。
「ええと、金平さん、平野さん、そして…ノエルさんです…」
咲は微笑みながらノエルのほうを見た。
「はい、よくできました。つまりこのクラスにはワーストスリーが全員そろっているわけなのよ」
さすがは咲だ。カラオケに行く話だったのにいつの間にかお説教のようになっている。
「ま、まあ、とりあえずカラオケに行くか!」
さすがは身楽。この状況を耐えかねたのか、そういいながら先陣を切って、カラオケ店へと俺らをいざなっていったのであった。
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