第10話 はじめて読んだ本
初めて読んだ本を覚えていますか?
ひらがなを覚えて自分の力だけで読んだ本のことです。
僕ははっきり覚えてます。それは「ふらいぱんじいさん」という絵本でした。たしか結構長い。100ページくらいあったんじゃないでしょうか。何日もかけて何度も何度も読み返した記憶があります。きっと他にももっと短い絵本も読んでいたんだと思います。だけど、僕の思い出のなかでは間違いなくこの本なのです。
タイトルの通り、古くなったフライパンのおじいさんが世界を旅するお話。とある理由でおじいさんは長年使われていた家を飛び出し、冒険に出かけます。はじめて目にする外の世界。色々な場所を訪れ、たくさんの動物たちとも出会います。ワクワク、ハラハラの冒険譚。そして最後はハッピーエンドです。
子供のころ、僕の頭のなかにあったどこまでも広がる空想の世界。この世界に「ことば」という色どりを与えてくれたのはこの本でした。文章を読むと頭の中に想像の世界が広がっていくのです。親に読んでもらうのとは全然違います。それはそれは不思議な感覚で、夢中になって「ふらいぱんじいさん」を読み続けたのです。
と、偉そうに書いていますが、この絵本を読んだことは最近まですっかり忘れていました。あるきっかけがあって唐突に思い出したんです。で、気づきました。
冒険、旅、動物、出会い。びっくりするくらい、僕が好きなキーワードに一致してる!
幼少期の強烈な体験が人格を形成するっていうのはきっと本当なんでしょうね。「ふらいぱんじいさん」のラストは棚ぼた的なほのぼのハッピーエンドです。これも最後はなんとかなるだろう、というテキトーな楽観主義者である僕の性格と一致しています。
みなさんは最初に読んだ本、覚えてますか?
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