超短編の掃き溜め

新学期カタストロフ

「夏休みが終わったから、もうお世話できないの」


 常識外れの大嵐が去った翌朝のこと。

 突然現れた魔王は、少しだけ心残りな顔をしてそう告げると、世界をきれいな更地にし始めた。


 どうやら私たちの世界は、彼女の自由研究で作られたらしい。そして、新学期が始まったからお片付けをするという。


 あれ。

 それなら、私たちが二〇〇〇年間祈ってきた神様はどこにいるんだろう。

 天を仰ぐと、雲も建物も魔王に吹き払われて、眩しいほど青い空が私を見下ろしていた。

 大気が薄い。

 薄水色から濃紺に至る透き通ったグラデーションを目に焼きつけて、私の意識はこの世から




「ごめんね」

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