第36話 コランと初恋
また濃くなった…。
私はカーネちゃんの色を見て顔を
上手くは言えないが良くない色だ。
私といる時もこのような色になる事は多かったが、これほどじゃなかった。
それに暖かい色も混ざっていたように思う。
比べて今の色は真っ黒だ。
ドロドロとして、今にも
悪と言って差し
対して王子様を見れば
その光に触れれば私も存在ごとかき消されてしまう様な。それでいてあまりの美しさに不意に手を触れてしまいそうな。
危険な魅力を感じる。
リリーちゃんを気にしつつも、カーネと楽しそうに話す王子様。
その仮面の下はどうなっているのだろう。
私は彼の事が知りたくてたまらなかった。
何故そんなに強いのか。
何故そんなに物知りなのか。
何故そんなに頭が良いのか。
何故そんなに優しいのか。
彼の全てを知りたい。そして…あわよくば私だけのものにしたい。
そんなおこがましい事を考えて頭を振る。
彼は私なんかにどうこう出来る存在ではない。下心を見せて嫌われる事だけは
しかし考えてしまう。あの優しさが私だけに向けられたらどんなに幸せだろうかと。
その為なら私は何でもしてしまうのではないかと。
チラッとカーネちゃんに目を向けた。
あの黒いドロドロはそういうものなのかもしれない。と。
そうなるとカーネとはライバルになるわけだが…。
相手が王子様だ。それは仕方のない事だろう。
私は
既に勝負は始まっているのだ。と。
私は王子様に助けられたというアドバンテージがあるが、それはリリーちゃんを助けたのと同様に、王子様の中では当たり前の事なのだ。
周りに対する
どうすれば彼は私に興味を持ってくれるのだろう。
どうすれば私は魅力的に映るのだろう。
それを知るためには彼をもっと知らなければならなかった。
私はカーネと王子様の話に真剣に耳を
少しでも王子様の情報を得るために。
王子様は私の物なんだから!
そう思った時、カーネちゃんの黒いドロドロが、私の中の何かと共鳴したような気がした。
カーネちゃんもそれに気が付いたのか、こちらに目を向ける。
私はカーネちゃんを
ここからは女の戦いだ。親友なんて関係ない。
最後に彼を振り向かせた方の勝ちなのだ。
私達は再び王子に向き直り、話しかける。
王子様は先程までと違う私たちの
焦る王子は次々と心の仮面を落としていく。
「王子様?そんな仮面をしていて息苦しくありませんか?私が持っていてあげますよ」
そう言って私は王子の最後の仮面に手をかけた。
誰よりも強いはずの王子は、子どもの様に
私達は
仮面の下から覗いた、怯える様な
それは私の心を今までとは違う方向にときめかせる。
彼は
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