ヒーロー・オブ・ザ・デッド

大友 鎬

第1章(学校編)

0 プロローグ

 世界が終わりを迎えたのは12月20日だった


 と多くの生存者は語る。



 男女の生存者七人が新東京特区に建設された五連高校から脱出した。


 校門の閉ざされた高校には、“だったもの”が徘徊していた。


 かつて教師だったもの、クラスメイトだったもの、友人だったもの、親友だったもの、人間だったもの。

 今はそうじゃない、かつてそうだったもの。


 さらに目の前には地獄のような惨事が広がっていた。


 耳をつんざくような、鳴りやまないサイレンが不安を助長させる。


 いったい、これからどうなってしまうのか。


 そんなときだった。


 生存者のひとり、戦隊ヒーローのメンバーである少年のもとに、耳を疑うような一報が届けられたのは。


『ブルーよ。大変なことが起こった。いいかよく聞いてくれ、レッドがゾンビになった』

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