ボリンジャーバンドの恐怖

カニ太郎

第1話ボリンジャーバンドの恐怖

『学くん、君、ボリンジャーバンドって知ってる?』


『ああ、5人揃って、ゴレンジャー!って叫ぶあれ』


『それは、秘密戦隊ゴレンジャーだろ、私が言ってるのはボリンジャーバンド!FXとかで使うチャートテクニカルだよ』


『へー、そんなのあんだ、なんでも知ってるんだね』


『そう、俺は日本で唯一のボリンジャーバンドマスターなのよ』


『いったいどこで習ったのそれ』


『埼京線の電車の中』


『えー、埼京線?、なんでそんなとこで修得すんの』


『いいかい学くん、埼京線ってのは痴漢が多いだろ、このボリンジャーバンドってのは痴漢の手法から発生したチャートテクニカルなのよ』


『えー、チャートテクニカルって痴漢の手法なの?』


『そうだよ、いいかい、まずは、想像してみ、君は赤羽駅から満員電車に乗りました、目の前には可愛いOLさんがいます、さてどうする』


『えー、そりゃどうしても触ってみたくなりますね~』


『そう、だからっていきなり触ったら犯罪だわな』


『いきなりじゃなくても犯罪だけど、まあいいわ、それで・・・』


『まずは、手の甲でそーっと触れるのがσ1』


『えー、いきなりわかんなくなった、そのσ1ってなに?』


『これがボリンジャーバンドっていうテクニカルなの、いいかい、このσ1って行為は、手の甲でタッチしたらすぐ逃げないとダメなの、61.8%の確率で叫ばれるから』


『なんか、ワケわかんないけど、まあ、ちょっと触れただけでも最近は叫ばれますからね』


『そう、だから、ちょっと触っては逃げ、また触っては逃げ、を繰り返す、そのうちに、ブレイクする瞬間とかがあんの』


『あっそれって、もしかして、手の甲が手のひらに変わるってこと・・・いやらし~(笑)』


『そう、それがσ2、かなりヤバイラインにタッチしてるってことなの、いいかい、このラインは95.4%の確率で叫ばれるの』


『えー95.4%っていったら、もうほとんど全部じゃん』


『そう、だから、手のひらで触ったら、本来はすぐ逃げなきゃならない、でもね、学くん、逃げなくてもいい場合もあんの』


『えー、教えて!教えて!ズーと撫で撫で出来るのー』


『そう、それがバンドウォークっていうの、つまり、トレンドに乗ったら逃げなくていいの、ここで逆張りから順張りに変わるのがボリンジャーバンドバンドウォークっていう手法なのよ』


『へー凄いな~それで、それからどうなんの?』


『もー学くんたら、わかってるくせに、いいかい、まだ我々は服の上からしか触ってないでしょ、当然・・・次は・・・』


『えー、まさか下着!まずいっしょ、いくらなんでも・・・』


『それが出来るんだよ、それがσ3だ、σ3でバンドウォーク出来たら最高だよね、でもね、これは99.7%で叫ばれっから細心の注意が必要よ、でもね、もう稀なのよ、こんないい女の子に当たることはめったにない(笑)(笑)(笑)

だからついつい欲張ってしまうのよ』


『スッゴいなーボリンジャーバンドって、お願いします、教えてください』


『いいけど、警察に捕まるよ、撤退するタイミングが難しいから、女の子ってのは急に変わるからね、さっきまで大丈夫だったのに、急変して、あっという間にロスカットよ、だからボリンジャーバンドは危険なの、特にσが上がったら上がっただけ谷も深いからね、自慢じゃないけど、俺ストップが効かなくて3回警察に捕まったから(涙)』


『苦労してんですね』


チャンチャン

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