のせい
Re:over
ミオのせい
「ここ散らかしたのミオだもん」
僕は飼い猫であるミオを指差してそう言った。僕のおもちゃがたくさん転がり、見苦しい部屋をミオのせいにしたのだ。お母さんは不満げに部屋を片付け始める。
ミオのせいにしていれば、大抵のことは許されると知り、めんどくさいことは全てミオのせいにしてきた。もう少し弟が大きくなれば、弟のせいにしてもいいかもと思っている。
お母さんが買い物に行くと言って家を出て行った。その後、僕はベッドに転がって暇を持て余していた。そんな時、リビングから物音がした。ミオが物を落としたと、そんなところであると思い、歯牙にも掛けなかった。
弟の泣き声が聞こえた。ミオがちょっかいを出したのだろう。昼寝の邪魔をされた時には殺してやりたくもなったが、今はそこまで眠たくないので気にならなかった。それに、泣き声はすぐに止んだ。水の音が聞こえた時も、ミオのせいだろうと思って無視した。
お母さんが帰ってきたと思えば、家の中に悲鳴が響き渡る。何事だろうと、お母さんの声を辿ると、そこには腹に包丁が刺さった弟がいた。お母さんは憎悪のこもった目をこちらに向ける。
お母さんの後ろにいるミオは、澄ました顔で僕が尋問されている様子を眺めていた。
のせい Re:over @syunnya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます