カタテノツバサ

みずかん

プロローグ


私の名は、村山むらやまツバサ。中学3年生。

よく、童顔と言われる。

幼少期を山形で過ごし、小学校の時、

東京へやって来た。

小学校時代はまだ訛りが抜けきらなくて、バカにされたりもした。その頃はプライドが高く、男子とよく喧嘩した。

小学4年頃からは、そんなことも無くなった。周りが言ってこなくなったのもあるが...。

私は、友達を多く作らなかった。


中学3年生の春、私は沖縄へ修学旅行に行くことになった。


セーラー服を着て、荷物を持ち、両親に“いってきます”と、告げてから、

空港へ向かい飛行機に乗った。


嬉しさや楽しみで機内は溢れ返っていた。


しかし、それらは数十分後に恐怖へと、豹変した。



ドンッと言う大きな衝撃音と共に機内がざわつき始めた。

ドキュメンタリーで見た事ある展開だと、誰もがそう思っただろう。


私はこの時、ある最悪な二文字が頭に思い浮かんだ。


『墜落』


まさか、本当に飛行機事故の当事者に

なるなんて。


急いで携帯を取り出し、家族へと

メッセージを送った。


「シートベルトを着用し、

頭を下げて、衝撃に備えて!」


添乗員の切羽詰まった声が聞こえてきた。

生徒達の悲鳴がグサグサと耳に痛いほど突き刺さる。


私は頭が真っ白だった。


ここは空の上。

助けなど来ない。

ただ重力に導かれ、地に平伏すしかない。




最後に覚えてるのが、そんな惨劇の真っ只中の光景。


そして、私はある浜辺で目を覚ますことになる。そこで、不思議な人物?と出会うのだった。




片翼の無いペンギンと。

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